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2006.07.27 (Thu)

黒猫がウクライナのガス問題について語る⑤ - ユーシェンコの嘘っぱちを暴く

さて、話をウクライナに戻します。ひとまず、この件については今回で終了となります。
これが終わったら台湾旅行の話でも書こうと思います。

◆謎の会社ロスウクルエネルゴの正体
1,000立方メートル当たり95$で新たな売買契約を締結したロシアとウクライナ。両国のガス事業は、ロシアは「ガスプロム」、ウクライナは「ナフトガス」という国営ガス会社が国内市場をほぼ独占している。単純に考えれば、ガスプロムがガスを売却し、ナフトガスがその代金を支払うという構図になるはずだ。
ところが、ロシアやウクライナに強い報道期間やインターネットサイトの記事を読むと、この新契約は非常に怪しい内容になっていることが報じられている。両国が新たに交わした契約はガスプロムとナフトガスの2社による単純な売買契約ではなく、その間に「ロスウクルエネルゴ(RusUkrEnergo)」「ガストランジット(Gaztransit)」という二つの合弁会社が挟まっている。

前述のとおり、ウクライナが消費するガスはロシア産のみならずトルクメニスタン産やカザフスタン産も含まれている。ウクライナはこのガスの支払いに加えて、自国を通過するパイプラインに関して通行料を受け取る権利がある。ロスウクルエネルゴは、これらの複雑な決済を行うための会社と言われている。
理由としてはもっともなのだが、このロスウクルエネルゴを調べると、その正体はスイスで法人登記されているペーパーカンパニーだという。代金決済を行う会社であれば、事務所がひとつと数名の職員、あとはコンピューターでもあれば仕事はできそうだ。確かに大規模な資本や設備は必要ないが、それにしても実態がペーパーカンパニーとは怪しすぎる。


ロスウクルエネルゴの出資者(株主)はさらに怪しい。50%はガスプロム傘下のガスプロム・パンクが保有している。ガスプロムはロシア国営のガス会社なので、大元を辿ると株主はロシア政府ということになる。したがって、こちらはそれほど問題あるまい。ヤバすぎるのが残りの半分。
残りの50%はオーストリアの大手金融グループ、ライファイセン銀行系列の信託投資会社が保有している。そして、この信託の保有者は「ウクライナの複数の投資家」であること以外明らかにされていない。どこの誰が出資しているのか分からない会社がロシアとウクライナという国家間のガス取引の間に挟まっているのだ。怪しさ1,000%である。

後に、ロスウクルエネルゴを担当する監査法人の発表によって、この投資家はドミトリー・フィルタシとイワン・フルシンという2名の人物であることが判明した。フィルタシはキプロスの投資会社ハイロック・ホールディングスの役員を務めているが、この会社の実質的オーナーはウクライナ・マフィアの大物セミヨン・モギレヴィッチで、FBIからマークされているといういわく付きの会社。
また、彼は「ユーラル・トランス・ガス(Eural Trans Gas)」という会社の幹部でもある。このユーラル・トランス・ガスも怪しさ大爆発の会社で、ロスウクルエネルゴが設立される前はこの会社がロシア-ウクライナ-トルクメニスタン間の契約に挟まって代金決済業務を行っていた。この会社はハンガリーで法人登記されているが、実態はペーパーカンパニーに近く、前ウクライナ大統領レオニード・クチマやトルクメニスタンのニヤゾフ大統領及びその側近連中がガス代金をピンハネして私腹肥やしに利用していた会社だ。

一方のフルシンはオデッサ銀行のオーナーであり、ハイロック・ホールディングスのウクライナ支社長も務めている。
テロリストやマフィアへの資金流入を警戒するアメリカはユーラル・トランス・ガスやロスウクルエネルゴが関わる闇の資金に目をつけ、司法省が調査に動き出しているという。
ほーら怪しくなってきた。


◆ウクライナ側の出資者の背後には?
ロスウクルエネルゴはロシア、カザフスタン、トルクメニスタン、ウズベキスタンなどから平均で1,000立方メートル当たり90$で購入したガスを、ナフトガスへ95$で売却することになっている。この差額がロスウクルエネルゴの収益となり、それは株主であるガスプロムと謎のウクライナ人投資家の儲けに化けることになる。
ウクライナは年間730億立方メートルのガスを輸入する予定なので、単純計算で考えてもロスウクルエネルゴは3億6,500万$(約420億円)という莫大な金を得ることになる。

ロスウクルエネルゴにウクライナ側から出資しているのはこの二人ということになっているが、少しばかり金を持っているからというだけで国家間の契約が絡む企業への出資など簡単にできるわけがない。多分、この二人は名目上の出資者で、背後には黒幕がいるに違いない。そして、それは多分どこかでユーシェンコと繋がっているのだろう。
フィルタシとつながりがあると言われているユーシェンコ大統領の元第一補佐官アレクサンドル・トレチヤコフや、ナフトガスの元社長ユーリ・ボイコあたりが限りなく怪しい。


昨年、このロスウクルエネルゴがウクライナ当局によって捜査されていた際、その捜査を主導していたのが首相のユリア・ティモシェンコだ。しかしこの捜査は昨年夏に突然ユーシェンコ大統領によって打ち切られ、警察のトップは更迭された。そしてその翌月にはティモシェンコも首相を解任されてしまった。
ティモシェンコは「ガス・プリンセス」の異名を持つガス事業で巨万の富を築いた実業家(というかマフィア)。ロスウクルエネルゴ周辺に漂うガス臭い腐敗臭に気づかないわけがない。以前からの政策面に関する対立に加え、ユーシェンコが手にしたガス利権に食い込もうとしたことから、返り討ちに遭って首相を更迭されてしまったのだろう。

もう一方のガストランジットはロスウクルエネルゴ以上に怪しい会社で、正体が殆ど分からない。ガストランジットはロスウクルエネルゴ、ガスプロム、ナフトガスの三社によって設立されたロシア=ウクライナの合弁会社で、ロスウクルエネルゴとナフトガスの間に挟まっている。
こんなところで会社をひとつ余計に通して、一体何の意味があるのだろうか。これも多分誰かのピンハネ用の会社に違いない。


ちなみに、ウクライナはガスのみならずあらゆる分野でこのような経済マフィアが蔓延っており、日本人が思うような「民主主義を推進して欧州の一員となることを目指している国」などではない。クチマだろうがユーシェンコだろうがティモシェンコだろうがヤヌコビッチだろうが、ウクライナの政治家は全員真っ黒な経済マフィアだ。マフィアが国を運営しているといってもいい。にゃおんちゃんが、ウクライナを「マフィアに乗っ取られたクサレ国家」と呼ぶ理由はここにある。

多分、ウクライナの政治家はこれからもEUとロシアの間をフラフラしながら利権を貪り続けるだろう。この国ではテクノクラートやブルジョワが育つことはあっても、まともな中産階級が育つことなど多分無い。

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