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2006.07.19 (Wed)

黒猫がウクライナのガス問題について語る④ - 周辺国の思惑を探る

なんだか、取り留めの無い文章になってきました。
すっかりウクライナのガス事情から脱線してしまいましたねぇ。
次回でロシアとウクライナが締結した新契約の裏事情に触れて、このテーマについてはおしまいにしたいと思います。ウクライナのガスについては、いずれユリア・ティモシェンコ(ウクライナの首相)の秘密について書く際にでも再び取り上げたいと思います。


◆では、どこからガスを買う?
アメリカが中南米に反米政権ができることを決して許さなかったように(現在はベネズエラやボリビアなどに香ばしい反米政権があるが)、ロシアも旧ソ連諸国に反露政権ができることを許さない。
元々反ロシア感情が強いうえにソ連末期の弱体化に乗じて離反しEUやNATOに加盟してしまったバルト三国についてはどうすることもできなかったが、前庭たるウクライナやモルドバ、勝手口たるカフカス諸国(アルメニア、グルジア、アゼルバイジャン)に関しては、「ロシアの影響圏からの離脱は許さない」という姿勢を明確にしている

一方、ロシアの影響下から逃れたいグルジア、ウクライナ、アゼルバイジャン、モルドバは「GUAM」という連合を作ってロシアに対抗しようとしている。
ただし、露骨に反ロシアを掲げるグルジア、ウクライナ、モルドバの3ヶ国に対し、アゼルバイジャンの立場は少し異なる。旧ソ連有数の油田であるバクー油田を有するアゼルバイジャンは反ロシアではないが、ロシアのみならず欧米諸国とも広く取引することを望んでいるため、ロシアを牽制する意味でこの連合に加盟している。また、自国で産出される石油やガスをグルジア、ウクライナ、モルドバへ供給することで、自国の影響力拡大を狙っていると思われる。


このように、ロシアはおめおめと欧州に吸収合併されるつもりなど毛頭無く、子分の国(CIS諸国)が自分から離反しようとした際には容赦ない仕打ちを行っている。このようなプーチン政権のやり方には欧米でも批判が多いのだが、かといってEU諸国がロシア産天然ガスに頼らず生きていくことは殆ど不可能に等しい

ロシア以外で天然ガスを大量に埋蔵している国はイランとトルクメニスタン。だが、イランは核開発疑惑で欧米と対立を強めており、EU諸国がロシアから買わずにイランから買うという選択肢は有り得ない。トルクメニスタンにしても、「中央アジアの金正日」の異名を持つサパルムラト・ニヤゾフ大統領による独裁が続く問題国家であり、また内陸国なのでロシアかイランを経由しなければガスを輸出することができない。
現在トルクメニスタンからカスピ海を抜けてアゼルバイジャン~グルジア~トルコへと向かうパイプライン(トランスカスピ・パイプライン)が建設されており、2011年頃に供用が可能となる目処が立ってきた。ロシア領内を通過せずにガスを輸出する算段が整って、EU諸国がホッとしたのも束の間、トルクメニスタンはこれを見越して早速ガスの値上げを通告してきた。トルクメニスタンが要求するとおりの価格で契約することとなった場合、ウクライナのガス価格はさらに上昇し1,000立方メートル当たり130$前後となる。


◆対照的なアメリカとドイツ
ガスに関してキナ臭い話が続く中、EU諸国の中でも特にプーチン政権と太いパイプを持つドイツが、ロシア産天然ガスの安定供給確保に向けて動き出した。プーチンはドイツの財界やシュレーダー前首相と古くから親交があり、近年の独露関係は非常に良好な状態が続いている。
ウクライナとロシアの喧嘩によってばっちりを食ったドイツは、ロシアから安定した天然ガスの供給を受けるため、バルト海を経由させて両国を直接つなぐパイプラインの建設を予定している。間を飛ばされる格好になるバルト三国やポーランドが反対しているが、首相がメルケルに変わってもドイツが考えを改める気配は無い。

一方、同盟国である西欧諸国の命綱をロシアに握られることを嫌うアメリカは、周辺国に次々と民主革命という名の政変を仕掛けてロシアの影響圏から離脱させる一方で、前述のトランスカスピ・パイプラインやアゼルバイジャンからグルジア経由でトルコのジェイハンへ向かう石油パイプライン(Baku-Tbilisi-Ceyhan:BTCパイプライン)の建設を推進するなど、ロシアに干渉されずにカフカス地方や中央アジアから石油や天然ガスを運び出す仕組みを作ろうとしている。
当事国であるアゼルバイジャン、カザフスタン、ウズベギスタン等の資源保有国はいずれも独裁者が君臨しているが、この独裁者どもは決して親ロシア一辺倒ではない。自分の好き勝手にできる政治体制さえ維持できれば、自国で産出される天然資源を高く買ってくれれば、仲良くする相手がロシアだろうがアメリカだろうが構わないと考えている。

それでも、ガスや石油に関しては売り手市場なので、とにかくロシアは強気だ。
昨今の原油高やガス需要の高まりによってロシアのエネルギー関連会社はどこも莫大な収益を上げているが、中でもガスプロムの成長ぶりは凄まじい。ガスプロムの株式の時価総額は2,170億$(約250兆円)にまで上昇し、BP(2,371億$)やロイヤル・ダッチ・シェル(2,229億$)といった石油メジャーに匹敵する存在となった。

《その5につづく》

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テーマ : 国際問題 - ジャンル : 政治・経済

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