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2006.07.12 (Wed)

黒猫がウクライナのガス問題について語る② - 果たして、ロシアは悪なのか?

チェチェン・ゲリラの大物、バサーエフ司令官が死亡しました。
チェチェンをネタに一発記事を書いてやろうかと思ったのですが、こちらを終わらすほうが先です。ウクライナの組閣ネタとか書きたいことはたくさんあるのですが、次から次へと色々なことが起こりまして・・・。
そういうわけでタイミングのズレたネタが登場することもありますが、堪忍してください。


◆事件の経緯と決着
ロシアは、ウクライナに対して1,000立方メートル当たり50$でガスを供給してきたが、オレンジ革命によって親米のユーシェンコ政権ができると「もう特別扱いはしませんから、国際市場価格で買ってください」と迫り、2006年から230$に値上げすると通告した。国家再生のための大事な切り札を、自国の影響圏から離脱することを声高に宣言してる国に格安で売ってやる必要など、ロシアには全く無い。
しかし、だからといって「それじゃ他から買えばいい」で済むような代物ではない。

いきなり従来価格の4.6倍で購入を迫られたウクライナは「そんな大幅な値上げに急に応じられない」と当然反発し、交渉は決裂。
これを受けてロシアは2006年の元旦からウクライナへ向かうパイプラインのガス圧を20%下げた。20%圧力を下げたのは、このパイプラインを経由するガスの約2割がウクライナ国内で消費される分だから。このパイプラインはウクライナを経由してその先のEU諸国にもつながっているため、さすがに全面停止はできなかった。


しかし、この措置以後もウクライナは今までどおりロシアから送られてくるガスを消費したため、ドイツ、フランス、オーストリア、イタリアなどでガス供給量が20~40%低下する事態が起きた。EU諸国は、自身が消費する天然ガスの1/4をロシアに頼っており、EUへ輸出されるロシア産天然ガスの80%はウクライナを経由するパイプラインを使って送られている。
突然のガス供給量減少に悲鳴を上げたEUは、ロシアとウクライナに対し「お前らが喧嘩するのは勝手だが、我々にまで迷惑を掛けるな」と噛み付いた。

そこでロシアとウクライナは再び交渉を行い、新たに1,000立方メートル当たり95$で売買することで決着した。
この交渉では、ロシア産ガスはガスプロムの主張どおり1,000立方メートル当たり230$となったが、実際にウクライナへ供給されるガスにはトルクメニスタン産やカザフスタン産の安価なガスが混じっており、これらの価格は従来どおり50$前後に据え置かれたことからトータルでは1,000立方メートル当たり95$で落ち着いた。トルクメニスタンやカザフスタンは内陸国なので、ロシアのパイプラインを経由して天然ガスをウクライナやEU諸国へ輸出している。

こうして、ロシアvsウクライナのガス戦争は、国際市場価格での売買契約締結に成功したロシアの圧勝で終わった。ウクライナにとってはトルクメニスタンやカザフスタンが従来どおりの価格で提供してくれたことにより、値上げ幅が2倍で済んだのが不幸中の幸いである。


◆ロシアはそんなに悪者か?ウクライナは可哀想な被害者か?
この件に関する欧米諸国や日本のマスコミの報道は「生活に不可欠な資源を使って自分に逆らう国を締め上げたロシアは卑怯者」「逆らう国にこんな仕打ちをするロシアから石油やガスの安定供給は望めない」とロシアを悪者扱いする論調が目立つ。確かに、ここに来て突然急激な値上げを行ったのは嫌がらせ以外の何物でも無い。
しかし、ロシアだって慈善事業でガスや石油を売っているのではない。自国に敵対的な国に金や技術といった大事なものを気前良く提供するのは極東の平和ボケした島国くらいなもので、ロシアがそんなことをするわけがない。

しかし、ウクライナもやられっぱなしだったわけではない。
ロシアからウクライナに向かうパイプラインは2本あり、ウクライナ用とEU諸国用に分けられているという。だとすれば、ロシアが供給量を減らしたのは当然ウクライナ用のもの。にも関わらずEU諸国へのガス供給量が減少したということは、ウクライナが欧州向けのラインからガスを抜き取っていたとしか考えられない。これは立派な犯罪行為である。


ウクライナのユーシェンコ政権(と、それを支持する欧米のマスコミ)は、親ロシア派のクチマ政権が腐敗が酷かったことにかこつけ「腐敗=親クチマ派=親ロシア派=悪=ロシア」「ユーシェンコ=親欧米=民主的=善」というイメージを作り上げ、「ロシア=独裁的で横暴な大国 vs ウクライナ=自由を求めて大国の横暴と戦う健気な小国」という構図を演出した。
実際は、調べてみるとユーシェンコ本人も主要閣僚も脱税やら横領疑惑で全員真っ黒。オリガルヒという経済マフィアが跋扈していたエリツィン政権時代のロシアと何ら変わるところが無い。
国を食い物にして儲けることしか考えていない腐れマフィアが支配するウクライナと比較すると、前回述べたように国家再生に対する明確なヴィジョンを持つプーチン政権のほうが100倍マトモである。


今回の騒動は、オレンジ革命以来続くウクライナ国内の親欧米派と親ロシア派の権力闘争の続きであり、その背後にいるロシアとアメリカの覇権争いだ。
民主主義の歴史が浅いCIS諸国の選挙不正に付け込み、「民主主義」という誰も反対できない錦の御旗を掲げて親ロシア政権の国を次々と転覆させてきたアメリカと、自国の影響圏を死守しようとするロシアとの対立の一場面に過ぎない。

しかも、ロシアは国際市場価格での買い取りを要求しただけで、不当な価格での購入を強要したわけではない。ユーシェンコ政権がロシアの影響圏からの離脱を明言している以上、ウクライナがエネルギーの殆どをロシアに依存していることに付け込んで締め上げることも可能だったが、そんなことはしていない。ウクライナだけを敵視してガスの値段を吊り上げたわけではなく、同時期にモルドバやバルト三国に対しても値上げを通告している。
もちろん、親ロシアのルカシェンコ政権が続くベラルーシに対しては友好価格で供給を続けていることから、プーチンがガスを政治的に利用しなかったとは言わない。しかしながら、国際政治の舞台はいつの時代も非情なものだ。自国のエネルギー事情を考慮しないでロシアに喧嘩を売ったウクライナに非は無いのだろか。


話が逸れてしまったが、ウクライナの腐れぶりやCIS諸国を巡るアメリカとロシアの暗闘については後日改めて述べることとし、今回はガス問題に限って話を進めたい。

《その3につづく》

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テーマ : 国際問題 - ジャンル : 政治・経済

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