2017年10月 / 09月≪ 12345678910111213141516171819202122232425262728293031≫11月

--.--.-- (--)

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
--:--  |  スポンサー広告  |  EDIT  |  Top↑

2008.03.10 (Mon)

【世界の香ばしき国々】第45回:沿ドニエストル・モルドバ共和国(Part6)

◆トランスニストリア国民投票 2006

2006年6月にモンテネグロが独立すると、沿ドニエストル政府も独立を問う国民投票を行った。国際社会に対して、「うちは何が何でも独立するんです!」と改めてアピールするためだ。投票率は79%で、そのうちの97%が「モルドバから独立し、ロシアと自由連合を組む」という政府の方針に賛成した。
だから、モンテネグロと違ってあなたのところは独立国だった実績が無いでしょ!モンテネグロ独立にかこつけてこんなことしてもダメなんですよ!

沿ドニエストル政府は、CIS諸国や欧州のいくつかの国から監視員を受け入れて実施したことから、「監視員立ち合いの下で行われた公正な投票である」と主張したが、OSCEやEU加盟国、CIS加盟国の反ロシア派GUAM(グルジア、ウクライナ、アゼルバイジャン、モルドバ)は、 「公正に実施された投票ではない」とお約束の反論を行い、この投票結果を承認しなかった。
そもそも、OSCEは「トランスニストリアでは独立反対派は激しく弾圧されており、市民が自由に意思を表示できる環境ではない。こんな国民投票など茶番である。よって我々は一人の監視員も派遣しないし、どのような結果になろうとも今回の国民投票を承認しない」と事前に発表していたのだから当然だろう。

トランスニストリア国民投票2006  トランスニストリア国民投票2006
2006年に行われた国民投票の様子


モルドバを拠点とするある人権団体の調査によれば、この投票には次のような疑惑があるという。ただし、この団体は「ヒューマン・ライツ・ウォッチ(アムネスティに次ぐ世界第二位の人権NGO)」系なので、アメリカやOSCEの息がかかっていることを考慮しなければならない。

・当局は投票率79%という数字を発表しているが、出口調査ではそれほどの投票者を確認できず、せいぜい10~30%程度。よって、今回の投票結果は少なくとも2~3倍に水増しされたか、あるいは全て捏造されたインチキである可能性が高い。
・主にティラスポリやベンデールにおいて、沿ドニエストル政府関係者が投票に行かない者に対して「投票に行かないとルーマニアに強制移住させる」と脅していた。
・当局は、過去に国政選挙や国民投票をボイコットをしたことがある市民を、「反体制的」として有権者リストから除外している。
・秘密警察や軍人が投票所から監視員を追い払ったため、監視員は投票所から200~250mも離れた場所で任務を行う羽目となった。また、当局による投票結果を改竄を目撃している。
・そもそも、投票用紙に書かれている設問の文章が恣意的で、市民が「独立賛成」へ投票するよう印象操作を行っている。


何も知らない人が見れば、「何とけしからん投票なのだ!」と思うだろう。しかし、旧ソ連諸国の選挙に西側の選挙監視団や人権団体がイチャモンをつけるのはいつものこと。事実上アメリカやEUの手先である彼らは、旧ソ連諸国の大統領選などで西側諸国が望まない候補が当選すると、お約束のように毎回イチャモンをつける。
彼らは「このような不正な選挙は国民を愚弄するものであり、断じて認められない」という声明を出しては当選した候補を悪者扱いし、野党勢力にデモを煽動させて政権をひっくり返すのだ。グルジアの「バラ革命」、ウクライナの「オレンジ革命」、キルギスの「チューリップ革命」と、いずれも同じ手口によって親露派の政権が転覆している。欧米系の選挙監視団や民主化支援団体には、このような方法による政権転覆のマニュアルまであるという。

日本では欧米のプロパガンダがそのまま報道されてしまうので、ベラルーシのルカシェンコ大統領は「悪の独裁者」で、オレンジ革命で活躍したウクライナのユーシェンコ大統領やユリア・ティモシェンコ首相は「民主主義を推進する善玉」と思われている。
しかし、ルカシェンコが急激な市場経済化を拒否したことによって国内の混乱を防ぎ、貧乏人が失業しないで済んだことを(たとえそれが根本的な解決にならず、延命治療に過ぎないとしても)評価するベラルーシ人は多い。
一方、ユーシェンコやティモシェンコは横領、脱税、背任などで真っ黒な犯罪者。国会議員の不逮捕特権があるおかげで牢屋にぶち込まれずに済んでいるに過ぎない。ウクライナ国民だって馬鹿ではないので、そのことを知っている。


バルト三国を除く旧ソ連諸国は、市場経済へ急激に移行した副作用としてマフィアが牛耳る闇経済が大きな力を持っている。民主主義の歴史が浅いうえに経済的に混乱したことから、金に目がくらんだ政治家や官憲がマフィアと結託してしまい、どこの国も腐敗が酷い。強権的な政治がまかり通り、まともな選挙ができない国が多いのは事実だ。
西側諸国はそれらの国の背後にいるロシアの影響力を削ぐべく、CIS諸国が民主主義に不慣れな点に付け込み、「自由・人権・民主主義」といった誰も反対できない錦の御旗を掲げては些細な不正を大げさに騒ぎたて、自分達にとって都合が悪い政治家を権力の座から引きずりおろしている。トランスニストリアで人権NGOが騒いでいるのも、この延長に過ぎない。

その証拠に、2005年に行われたモルドバの議会選挙では、OSCEはこれを「公正な選挙」として評価した報告書を取りまとめている。はぁ?あんな腐れ国家でまともな選挙なんかできる訳ないでしょ。案の定、CIS選挙監視団はこの報告を「親米・親EUのモルドバを善玉に仕立て上げるためのインチキだ!」と強く批難している。

お互いに自分にとって都合の良いことを言っているだけで、どちらが真実かなんて分かったもんじゃない!


そもそも、官憲の腐敗が酷かったり人身売買の被害者がいたり選挙がヤバかったりするのは、モルドバだって同じなのだ。誰からの援助も受けられず、爪に火をともすような生活をして経済を立て直した沿ドニエストルと、西欧諸国から散々援助してもらってもグダグダなままのモルドバ、どっちが立派な国だろうか?
アメリカとロシアを比較すると、アメリカの方がはるかに印象操作が上手なので、親露派でアメリカから睨まれている沿ドニエストルは実態以上に悪玉に描かれてしまっている。

それに加えて沿ドニエストル政府はやり方が下手過ぎる。西側の選挙監視団が手ぐすね引いて待っているのに、投票所に秘密警察や兵士を差し向けたりするから、後であること無いこと散々書かれて騒ぎ立てられるのだ。そして、それに対して政府のスポークスマンがやることと言えば、不機嫌な顔をして「お前らは信用できないから、何も話すことは無い」と西側マスコミの取材を拒否するだけ。これじゃヒール認定食らうに決まっている。そのくせ、ルカシェンコのように「独裁で何が悪い!」と開き直る勇気も無い。
おまけに国境警備隊のクズ役人が旅行者相手に賄賂をタカるので、沿ドニエストルの評判は奈落の底まで転げ落ちる結果となる。


※沿ドニエストル国境警備隊のタチの悪さは世界中の旅行者に知られており、「出入国の際に絶対モメる国」として恐れられている。某インターネットサイトには国境でいくらボラれたかを嘆き合うスレッドまで立っており、「私は○○US$やられた」とか「俺は○○US$むしられたうえに、△△を取り上げられた」とか身の毛もよだつ書き込みが満載されている。今のところ、にゃおんちゃんが見た最高の被害額はドイツ人旅行者による200US$。
普通の国であれば、あまりに派手にやり過ぎると諸外国から抗議が殺到して問題になり、腐れ係官どもも少しは控えるようになるのだが、非承認国家である沿ドニエストルにはどこの国も正式な外交ルートで抗議できないので、腐れ役人のやりたい放題の状態が続いている。

ちなみに、筆者は3US$のプチボッタに遭っているが、「係官にそんなつもりは無かったが、お釣りが無かったのでそうなってしまった」という感じ。小額紙幣を用意してなかったこっちも悪いので、係官に対する悪意は無い。
そのかわり、キシナウで腐れ警官に捕まって45US$むしられている。モルドバ政府に謝罪と賠償を要求しようと思う。

<♯`Д´> モルドバ政府は謝罪汁!賠償汁!

《Part 7につづく》

関連記事
20:55  |  沿ドニエストル共和国  |  TB(0)  |  CM(2)  |  EDIT  |  Top↑

Comment

●> HRW

HRWはアフガニスタン問題では徹底してあのタリバンを擁護してましたし、
イスラエルでよくデモってますが、アラブ諸国の人権問題については知らんぷりです。典型的な"サヨク"ですね。
どっちかというとアメリカにとっては邪魔な存在かなと。
shaul |  2008年03月10日(月) 22:08 |  URL |  【コメント編集】

あー、そういえばHRWはタリバンを擁護してましたねぇ。

実はあの報告書を出した団体は「Helsinki Committee for Human Rights in Moldova」といいまして、HRW直系傘下の組織ではありません。この団体はEUやOSECと関連があり、一緒に事業なども行っているようです。
ヘルシンキ委員会はHRWと深いつながりを持つ団体なので「HRW系」と書いてしまいましたが、軽率だったかもしれませんね。
ご指摘ありがとうございました。
にゃおんちゃん |  2008年03月12日(水) 18:58 |  URL |  【コメント編集】

コメントを投稿する


 管理者だけに表示  (非公開コメント投稿可能)

▲PageTop

Trackback

この記事のトラックバックURL

→http://powerpopisland.blog68.fc2.com/tb.php/286-a2bbe6f7

この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
この記事へのトラックバック

▲PageTop

 | BLOGTOP | 
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。