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2007.01.14 (Sun)

【黒猫ポンセの野望】「HEARTS OF IRON II」リプレイ(その2)

これまでの経緯はこちら
ポンセの目指すドイツ、そして世界が明らかに。


ひとつの民族、ひとつの帝国、ひとつの総統 - ゲームスタート前

ドイツでは1918年の第一次世界大戦敗北により、初めての民主政府(ワイマール共和国)が誕生した。しかし同時に経済は困窮を極め、国民の間ではドイツ民族を「奴隷のように虐げる」ヴェルサイユ条約への不満がくすぶっていた。ヴェルサイユ条約において、ドイツは植民地とポーランドにおける領土を失い、莫大な賠償金を背負わされた。そして軍隊を強制的に縮小させられ、戦争責任まで問われて「世界の除け者」にされたのだ。

このワイマール共和国時代、ドイツの民主主義は過激派が台頭して政治的暴力が横行するという、救いようのない混沌へと堕ちていった。そうした中1933年にアドルフ・ヒトラーの国家社会主義労働党(ナチ党)が政権を握る。これはドイツにとって歴史的転換点となった。
ナチ党が権力の座に就くと、議会制民主政府、包括的市民権、言論の自由はすぐさま葬られ、ユダヤ人、共産主義者、労働組合、反体制派など、国家にとって「望ましからぬ」存在に対する排斥運動が激しさを増していった。その一方、ヒトラーは破綻した経済を立て直し、不公平なヴェルサイユ条約の破棄を約束した。

1936年の時点で、総統が国際社会に対して最初にどんな行動を起こすのか、ドイツ国民は考えを巡らせていた。ラインラントの再武装化なのか。長年の悲願だったオーストリアの併合なのか。チェコスロヴァキアやポーランドにあるドイツ人居住地の問題に決着をつけるのだろうか。
その答えを知るのはベルリンの謎めいた総統ただ一人である。


1936年1月1日、黒猫ポンセの新たな戦いが始まった。

影の支配者として君臨したGuicho Zurdoの側近だった今までとは異なり、今回はヒトラーの側近として行動することからポンセは多くの人の目に留まらざるを得なくなった。そこで彼はカール・ポテンテ(Karl Potente)なるドイツ名を名乗り、どう見てもヒスパニック系である濃い顔をごまかすために南米ブラジルに移民したドイツ人の子孫という経歴を詐称することになった。
また、彼には『総統補佐官』なる役職が与えられ、総統直属で政策全般の調整を行う権限が与えられた。


ポンセ改めポテンテはヒトラーと3日前から二人きりでドイツ南部ベルヒテスガーデンにあるヒトラーの山荘ベルクホーフにこもり、内閣改造について激論を戦わせていた。ヒトラーは首都ベルリンではなく、ここに滞在していることのほうが多かった。
対外的には一介の補佐官に過ぎないポテンテだが、彼にはヒトラーに対して大きな強みがあった。何故なら、彼が機嫌を損ねて「もう止めた。僕、やっぱりフィンランドでプレイする」と言い出そうものなら、ヒトラー総統は再びGuicho Zurdoの傀儡として生きる羽目になるからだ。
しかし、残念なことにGuicho Zurdoのようなカリスマも政治力も持たないポテンテには、ヒトラーを傀儡とすることはできなかった。主導権を握る大きな切り札を持ちながらもGuicho Zurdoのような闇の帝王とは成り得ず、彼は様々なことと折り合いをつけながら政治を行う必要があった。

ポテンテは現内閣が掲げる政策と閣僚人事においていくつかの変更を要求し、そして二人の激論の末に決定した内閣がこの日公開された。このような裏事情を知るよしもないマスコミや国民は「どうしてこの時期に内閣改造?」とクビを傾げた。


国家元首はもちろんアドルフ・ヒトラー総統。こればかりは変えようが無いのでどうしようもない。ゲームシステム上変更できないし、ヒトラーとのタッグ無しではポンセなどただの失業した野良猫に過ぎない。あまり役に立つスキルを持っておらず組む相手を間違えたかと後悔しそうになるが、親分は多少アホでも側近が優秀であれば問題ない。私が何とかしてやる、と意気込むポテンテ補佐官。

政府首班はルドルフ・ヘス。ヒトラーの腰ぎんちゃくとしてナチ党副総統まで出世したが無能だったために疎まれて居場所が無くなり、和平交渉という名目でイギリスへ逃亡した男だ。この男も変更が効かないので、総統閣下のお守りでもしてもらうことになる。

外務大臣はコンスタンチン・フォン・ノイラート。候補者を見ると悪名高きヨアヒム・フォン・リッベントロップが控えている。圧力や恫喝には向いているリッベントロップだが、今はまだそのような過激な方法が必要な時期ではないので、当座は穏健なノイラートおじさんのままでいいだろう。

内務大臣をヴィルヘルム・フリックからフランツ・ギュルトナー元法相に変更する。ギチョ閣下は全権委任法やニュルンベルク法の起草者でありナチ式敬礼を義務化した悪党であるがゆえにフリックを嫌って首を挿げ替えたが、ポテンテが変更した理由はあくまでスキルに関するものによる。フリックが消費財の需要を増加させてしまうのに対し、ギュルトナーは逆にそれを抑えるスキルを持っている。国家財政が苦しい序盤には有効なスキルだ。

国防大臣(ゲームでは軍需大臣と表記)をヴェルナー・フォン・ブロンベルクからヒャルマー・シャハトに変更。元経済大臣にして国立銀行総裁としてドイツ経済の立て直しを成功させたシャハト先生は、彼一人で我が国の工業力を10%アップさせるスキルを持っている。
陸軍のボスであるブロンベルクはこれを左遷と考え、経済畑出身のシャハト先生が国防大臣になることに対して難色を示した。そこでポテンテは、これは左遷ではないこと、彼の部下であるフリッチュを陸軍総司令官に据え置くこと、そしてブロンベルクには今後も陸軍のトップとして活躍する場が用意されていることを説明して納得してもらった。元々、ブロンベルクは「ゴムのライオン("見掛け倒し"という意味)」と陰口を叩かれたほどナチ党に対して従順な人だったので、話はあっさりとカタが付いた。

情報大臣もヴィルヘルム・カナリスからオスカー・フォン・ヒンデンブルクに変更。ワイマール共和国最後の大統領パウル・フォン・ヒンデンブルクの息子にして側近だった男で、他国との友好度を上げるスキルに長けている。当分は外交工作が中心となるのでカナリスが持つ諜報能力は出番が無いのだ。

さらに海軍総司令官をエーリッヒ・レーダーからアルフレート・ザールヴェヒターへ変更。ドイツ海軍再建に力を入れているポテンテとしては、空母の能力をダウンさせる人物を海軍のトップにしておく訳にはいかなかったのだ。
解任の知らせを受けたレーダー提督は分別ある人物であることから、表立って不満を述べたりはしなかったが内心は傷ついているようだった。レーダー提督は我がクリーグスマリーネ(ドイツ海軍)にとって欠かせない人物。総統とポテンテは二人がかりで提督をなだすかし、「あなたには主力艦隊総司令官の席を用意してあるから」などと必死におだてた。

統合参謀総長ルートヴィヒ・べック、陸軍総司令官ヴェルナー・フォン・フリッチュ、空軍総司令官へルマン・ゲーリングはそのまま。他に有力な候補者がいない以上、変える理由が無い。
現状ではこれでいい。無闇に閣僚をすげ変えると国民の不満が高まるのだ。



私には夢がある! - 1936年1月1日

早速開かれた一回目の閣議では、ポテンテ補佐官から改めてドイツが目指す最終目標が提示された。

【本プレイの最終目標】
・ヴィルサイユ体制を打破する
・史実のような惨めな敗戦を経験することなく第二次世界大戦を乗り切る
・再び民主化を実現する
・戦後の国連常任理事国主導のものに代わる、新たな世界秩序を構築する


ポテンテ補佐官の「民主化を実現する」という台詞には一瞬会場がどよめいたが、多くのドイツ人にとって来るべき戦争を「ドイツ民族生存のための防衛戦争」と位置づけることには何の抵抗も無かったことから、概ね好評であった。
そんな中、ナチ党と己による独裁を真っ向から否定されたヒトラー総統だけは見るからに不満そうな顔をしていたのだが、どよめきが収まらない会場の中でそれに気づいた人は殆どいなかった。


さらに、ポテンテは総統補佐官就任のあいさつの代わりに次のような演説を行って大ドイツ復活を目指すことを宣言し、ラジオ放送によってこの演説を聞いた多くのドイツ国民の感動を誘った。

【1936年1月1日、ポテンテ補佐官が行った就任演説】
私は同胞達に伝えたい。今日、この困難に直面してはいても私にはなお夢がある。それは民族自決に深く根ざした夢なのだ。つまり、この国が立ち上がり、すべてのドイツ民族が幸せに暮らせる国ができる日がいつか来るという夢なのだ。

私には夢がある。ヴェルサイユ宮殿の鏡の間で、かつての敗戦国民とかつての敗戦国民に隷属を強いた者が対等に同じテーブルにつく日が来るという夢が。
私には夢がある。搾取と抑圧の熱がうずまくラインラントでさえ、自由と正義のオアシスに生まれ変わり得る日が来るという夢が。
私には夢がある。ダンツィヒに暮らす子ども達が、話す言葉ではなく内なる人格で評価される世界に住める日がいつか来るという夢が。
私には今夢がある!人種差別主義者や州知事が中央政府の干渉排除主義を唱え、ドイツ系住民を弾圧しているズデーテンラントにさえ、将来いつか幼いドイツの子ども達が幼いチェコ人の子ども達と手に手を取って兄弟姉妹となり得る日が来る夢が。


見てのとおり、1963年にマーティン・ルーサー・キング牧師が黒人の公民権運動に際して行った演説のパクりなのだが、1936年にこの演説を知る者はいないのでポテンテのやり放題であった。
偽キング牧師と化したポテンテの演説に誰もが打ち震えて感動する中、パラレルワールドでこの演説を聞いていたGuicho Zurdoは次のように叫んだ。
「何を言うか!ワシに干されて逃げ出した負け猫が、何を言うのか!」

こうしてゲームは始まった。


≪つづく≫

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