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2009.01.13 (Tue)

2008ベラルーシ・ウクライナ旅行記(その28)

前回の続きです。

◆スシポリス登場

試合は2-2の引き分けで終了。1stレグで勝利しているディナモの本戦進出が決定。よかった、よかった。
この試合のMOMはアリエフ。この日の彼は先制点を決めただけでなく、中盤で攻撃の起点となっていた。サポーターも「アリエフ!アリエフ!」と叫んで彼を称えていた。他には巧みなドリブルでドロヘダ守備陣を手玉に取ったミレフスキー、中盤で守備に奮闘したオグニェン・ヴコイェヴィッチも良かった。
帰る準備をしていると、おっさんが「お前、ディナモ好きなのか?」と話しかけてきた。散々一緒に応援したのに、今さら何を言っているんだ?「ディナモ、No.1」と答えると、おっさんはニコニコしながらうなづいていた。本当は一番好きなのはオランダ・トリオがいた頃のACミランとヨハン・クライフが監督だった頃のFCバルセロナだが・・・。旧ソ連リーグに限定すればディナモ・キエフが一番好きだから、まあ嘘ってわけでもない。

帰り道、通路が大混雑でさっぱり前に進まない。やがて退屈しだした観客が「ディナーモ・キーエフ!ダバイ!ダバイ!」と歌い出す。結局、彼らは地下鉄の駅まで歌い続けていた。「ダバイ!」と聞くたびにあのおっさん達を思い出して、もうおかしくって仕方ない。必死に笑いを堪え、変な顔のまま地下鉄駅にたどり着く。
お腹が空いていたので、独立広場の地下モールにあるフードコートに立ち寄る。旨いものなど無いだろうが、今はとりあえず何か食えればいいや。


フードコート内に寿司屋を発見。カウンターの中に若いお兄ちゃんが二人いて寿司を握っているのだが、まるで映画ベストキッドの主人公のような鉢巻をしていて違和感ありまくり。鉢巻なんかしなくていいから調理帽をかぶりなさいよ、まったく。
しかし、どういうわけかこのお兄ちゃん達の握る寿司がどんなものか見たくなり、わざわざウクライナまで来てインチキくさい寿司に挑戦することになった。注文してから寿司が出てくる間、ずーっとカウンターの前に立ってお兄ちゃん達の手つきを観察する。スシポリスのにゃおん巡査である。

じーっと見ていると、お兄ちゃん達も意識したのだろうか?包丁をクルクル回しては、まな板を叩く動作を入れながらネタを切る。あのね、カンフー映画で包丁を振り回す悪役じゃなんいだから・・・。お前ら、日本と中国の違いを分かってないだろ?
しかし、意外なことに出てきた寿司はそれなりの出来。ちゃんとした職人さんが作ったものと比べるべくもないが、食えないほど酷いものではない。もちろん、外国の寿司なので日本と全く同じではない。別にウクライナに限らず、外国では握りよりも巻き物がメインで、「アボカド巻き」なんてものがあったりする。
昔、カナダから来た知人を寿司屋へ連れて行ったところ、彼はアボカド巻きが無いことに驚き、 「ここはちゃんとした寿司屋じゃないから、アボカドを置いてないんだな?」と失礼極まりない発言をしたことを思い出す。

帰宅する前にスーパーに寄り、再びウォッカの小瓶を買って帰る。家に着くとウォッカをチビチビやりながら、TVで今日の試合のダイジェストを見るにゃおん氏。
ショットグラスに注がれたウォッカを一気に飲み、「くーっ!」とか言いながら寝転がってサッカーを見る私は、晩酌しながらジャイアンツの試合を見る日本のおっさんと変わらん。ウクライナのおじさんもウォッカを飲みながらTVでサッカーを見るのだろうか?今度、誰かに尋ねてみよう。

フードコートで食べた怪しい寿司
フードコートで食べた怪しい寿司。意外なことに味はまあまあ。



◆大祖国戦争博物館にて

8月7日(木)、9時に起床すると「大祖国戦争博物館」へ向かう。旧ソ連諸国では第二次世界大戦のことを「大祖国戦争」と呼ぶ。「ファシストから祖国を守る一大戦争」という位置づけをして国民を鼓舞し、そしてその勝利を誇っているわけである。実際はボリシェヴィキを嫌う何百万人ものロシア人やウクライナ人が枢軸国に加わって赤軍と戦っているのだが・・・。
にゃおんちゃんは3年前にもここを訪れているのだが、とても面白かったのでもう一度見に行くことにした。

大祖国戦争博物館へ行くには地下鉄1号線のアルセナリナ駅からバスで向かうのが最も一般的。しかし、昨日もアルセナリナ駅へ行っているわけで、同じところを通っても楽しくない。そこで、3号線のドゥルージュビ・ナローディフ駅から行ってみることにした。800mほど歩けば博物館の丁度裏手にたどり着くはずで、多分アルセナリナ駅から歩くよりも近い。
にゃおんちゃんの部屋の最寄り駅1号線のポリテフニチニー・インスティテュートから地下鉄に乗り、テアトラリナ駅で3号線に乗り換え。今回でキエフに来るのは3回目だというのに、3号線に乗るのは初めてであることに気づく。だから何?という程度のことだが。

ドゥルージュビ・ナローディフ駅に到着して地上へ上がると、真っ先に目に飛び込んできたのは6車線の広い道路。これが「ドゥルージュビ・ナローディフ通り」という道路らしい。道路は緩い下りになっていて、下りきったところで目の前にある丘を避けるようにして右にカーブしている。そして、その丘の上に立つ巨大な「祖国の母」像。
この巨大な女神像は土台部分を含めると高さ約100m(本体部分のみで約60m)で、世界で4番目に高い像だそうな。展望台があって以前は上に登れたのだが、現在は閉鎖されていて像の中には入れない。その理由は、飛び降り自殺する人が続出したから・・・らしい。
そして、これから向かう大祖国戦争博物館は、この土台部分にある。というか、土台部分が丸ごと博物館になっている。敷地はダダっ広いし、建物は馬鹿デカいし、遠近感が狂うこと間違い無し。

遠近感が狂います
800m手前から撮影してこのデカさです。遠近感が狂います。


祖国の母像博物館の入場料はえーと・・・確か4UAHで、撮影料が10UAH。撮影料を払っても500円程度でたっぷり遊べるので、キエフに来たら是非ここを見学しましょう。
展示物は年代順に並んでいて、ドイツでナチスが台頭し始めた頃から第二次世界大戦の終戦まで。エントランスには真っ二つに割れたナチスの紋章が鎮座していたりなんかして、かなーり露骨である。伍長閣下をスリッパでひっぱたいてやりたい気分になる。お前が無意味な死守命令ばっかり出すから、こんな悪党が戦勝国になっちまったんだ!

展示物は印刷物、制服、勲章といった小物から、小火器や対戦車砲、バイクとなかなかバラエティに富んでいて、眺めているだけでも面白い。というか、説明文は全てウクライナ語で書かれているので、何ひとつ分からない。全ての展示物に英語の説明をつけるのは大変だとしても、冊子にまとめて貸し出すとかそういう知恵は無いのか、ウクライナ人よ。

博物館は3階まであるのだが、2階に上がってすぐのところでデジカメのバッテリーが尽きてしまい、日の丸の写真を取り損ねる。あぁーっ!
この博物館にはシベリアに抑留されていた兵士が持っていた日の丸が展示されている。ボロボロに朽ちた日の丸に書かれた「武運長久」の文字を見て涙するにゃおん氏。


パルチザンの兵士と少年
パルチザンの兵士と少年。かっこいいっす。


《つづく》

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