2007モルドバ・ウクライナ旅行記(その39)
◆アンゴラから来た靴磨き
一度は寝たもののすぐに目が覚めてしまい、寝酒を飲みに外出する。風邪ひいてるのに・・・。
モルドバで会ったドイツ人の教授とも「あそこはいい店だ」と意見が一致したバーがフレシャーティク通りにあり、行ってみるが何故か閉店。定休日なのか?看板すらロクに出てない店なので、さっぱり分からない。
仕方が無いのであても無く独立広場へ向かうと、前回来たときに行ったストリップバーを思い出した。普通のバーだと思って入ったら実はストリップの店で、すぐに逃げようとしたのだが店員に「どうぞー」とにこやかに案内され、逃げるに逃げれず入店してしまったという、苦い思い出のある店だ。 いや、ほんとだってば。信じてないね?
用心棒のお兄ちゃんがプーチン大統領そっくりなのだが、すごく優しい人で仲良くなった記憶がある。他の店員もダンサーの姉ちゃんも気さくで、妙にアットホームな雰囲気で居心地の良い店だった。ストリップバーなのに。
自己嫌悪に陥って凹んでいたので、あの店ならまったり飲めるかと思い行ってみるが・・・その店も潰れて無くなっていた。うーむ・・・どこへ行こうか。夜中にウロつくも嫌だったので、ホテルのバーに行くことにした。向かった先はドニプロ・ホテル。
ホテルに入り、バーがある2階へ行く階段の下に黒人の靴磨きがいて、話しかけてきた。かなり訛っていたが、彼は英語でこう言った。
「バーに行くのかい?ここを上った2階だよ」
礼を言って階段を上るが、そこにあったのはストリップバーだった。いや、だからストリップバーはもういいんだってば。普通のバーは無いのか?
入口にいた用心棒が右手を指差すと、そこにはストリップではない「普通のバーらしきもの」があった。しかし、ショボ過ぎる。カウンター席に5人も座れば満席になってしまうような小さな店なうえに、ドアもパーテーション無いので外から丸見え。さらに、電飾がギラギラしていて趣味悪すぎ。にゃおんちゃん、こんなところで酒飲みたくねぇぞ、帰る!
ここがキエフの中心部、独立広場。
サッカー・ウクライナ代表の前監督オレグ・ブロヒン。ブロヒンさんは国会議員でもある。
歩道に立っている広告看板に議会に関する記事が載っていて、そこに彼の写真が掲載されていた。
階段を下りると、さっきの靴磨きがまた話しかけてきた。
「旦那、バーに行かないのかい?ストリップもありやすぜ?」
ストリップはいらん。今夜はそんな気分じゃない。そんなことより、いくらで磨いてくれる?
「へい、15UAHになりやす」
それじゃお願いしちゃおうかな?にゃおんちゃんの靴磨いてくださいな。
「へいへい、ありがとうございやす。さぁ旦那、そこの椅子に座ってくだせぇ」
靴を磨いてもらいながら、その黒人と世間話をする。彼はアンゴラからの難民で7年ほど前にウクライナへ来たのだという。今ではウクライナ人と結婚して赤ちゃんもいるそうだ。わざわざ携帯電話を取り出して写真まで見せてくれた。
アンゴラってことは・・・ポルトガル語を話すんだね?
「そうそう!ポルトガル語。旦那、アンゴラに行ったことあるんですかい?」
いや、無い。今後も行く予定は無い・・・・・・と思う。
にゃおんちゃんが日本人だと分かると、彼は知っている日本語をいくつか披露した。おぉ、すげぇ!どうして知ってるの?
「へい、あっしの友達が横浜にいやしてね」
にゃおんちゃんの薄汚いブーツを一生懸命磨いてくれたので、15UAHのところを20UAH払った。ところが、さらに金を要求してくる。
「旦那、あっしには幼い子どもが・・・」
だから20UAH払ったでしょ!取れるときに取れるだけ取ってやろうという発想は良くない!
せっかく楽しく会話していたのに、これで一気に気分が悪くなった。これといった酒場も見当たらないので、独立広場近くのビアホールでビールを1杯飲み、その後ネットカフェに寄ってメールをチェックして帰る。
とりあえず酒も飲めたので、満足して寝る。
ベッサラブスキー市場。名前のとおり、元はベッサラビア(現在のモルドバ)から来た行商人が作った市場。
にゃおんちゃんはベッサラビアから来た旅行者。
夜のフレシャーティク通り。
《つづく》



