2007モルドバ・ウクライナ旅行記(その12)
◆偽ソ連で出会ったヤタガラスに絶句
時間は17時を過ぎ、日が傾きだしてきたのでそろそろ帰ることに。
当初の計画と大きく異なり、半日ばかり街を見て歩いただけで終わってしまったが、単独行動かつ限られた時間内ではこれ以上の収穫はありそうもない。帰りの国境が怖いので早く帰ろう。またいつか来ることもあろう。さらばじゃ、ティラスポール。
せっかく両替したのに、お金を全然使っていないので、コンビニもどきの店で飲み物とお菓子を買う。物価は激安で、モルドバよりも安い。
おいおい、この国で自給できるものなんて殆ど無いはずだぞ。ロシアやウクライナからの輸入に頼っているだろうに、どうしてこんなに物価が安いんだ?謎は深まるばかり・・・。
駅へ向かう途中、日本代表のレプリカを着た少年とすれ違い、腰を抜かさんばかりに驚く。彼が着ていたのは2002WC仕様。日本の試合を見て感銘を受けた彼は、「ナカータ、ハラショー」とか言いながらレプリカを買いに行ったのだろうか。あまりの衝撃に話しかけることもできず、黙って彼を見送るしかなかった。
いや、絶句しちゃったのよ、マジで。だって偽ソ連で見るヤタガラス(JFAのロゴに描かれている鳥)は衝撃的ですよ?
衝撃のせいなのか、サングラスを落として破損する。(;´д`)トホホ
しょぼくれながら道の端っこを歩いていると、駅近くのビルの壁にこんなものを発見して一気に機嫌が良くなる。"doska pocheta"と書いてある。英語にすると"honorary board"になるのかな?これは何かというと、「街に貢献した人の写真と名前を飾ってその功績を称えるボード」。正式名称は知らん。旧ソ連諸国の街にはどこにでもある。ただし、レーニンやら鎌とハンマーのマークが入っているものは初めて見た。
にゃおんちゃんもいつの日かここで表彰されますように・・・ナムナム。
さて、その向かいにある新築で綺麗な建物がティラスポール駅。バスターミナルも兼ねているが・・・停まっているのは旧ソ連時代のオンボロばかり。
駅舎の中に入いると、丁度間もなく列車がやって来るようでたくさんの乗客でごった返している。時刻表を調べると意外なことに結構列車が走っていて、モスクワ行きはもちろんのこと、ミンスク(ベラルーシ)、オデッサ(ウクライナ)へ行く列車もある。あれ?ウクライナとモルドバの制裁によって線路は封鎖されていたのでは?近くにいた人に尋ねてみるが、英語が通じず断念。
せっかくだからベンデールにも寄っていこうと思いバスを探すが、切符売り場のおばちゃんは「ニェーット!ニェーット!」と言うばかりでまるで取り合ってくれない。駅を出たところにあるマルシュルートカ乗り場で地元民に尋ねると、「ツェントラまで行ってマルシュルートカに乗れ」と言われる。
めんどくさいのでこのままキシナウに帰ろうかとも思ったが、「また明日来る」というわけにはいかない場所なので、意地でも行くことにする。
マルシュルートカでツェントラまで戻ると、すぐにベンデール行きのバスがやって来た。にゃおんちゃんがバスに乗り込むと同時に雨が降り出してきた。こっちに来て初めての雨だが、空が明るいのですぐに止みそう。こっちのバスは長距離バスを除いてエアコンやらクーラーなど装備されていないので、車内が蒸し風呂状態になって苦しい・・・。
ティラスポール駅。新しくて綺麗です。
ソ連時代に生産されたバスだけど、まだまだ現役。
◆ベンデール・インチキ写真館
ティラスポールを出発してから20〜30分でベンデールへ到着。再びドニエストル川を渡ったが、バスの車内でにゃおんちゃんの隣に座っていたのは軍人さん。怒られそうで怖くて写真も撮れず。
バスを降りると、そこは来るときに立ち寄ったバスターミナルではなかった。バスはたくさん停まっているが、市内や近郊を走るバスばかり。ここはどこだ?地図すら持っていないので、どこに行けばいいのかすら分からない。
街の雰囲気は・・・正直よく分からないが、ティラスポールよりも寂れているというか、荒れている感じ。壁に銃弾の痕があったりはしないが、やっぱり戦場だったから?
路地を一本入ると建物はボロいし、ゴミだらけで結構汚い。最初にこの街を見ていたら、この国に対する印象も随分と違ったものになったかもしれない。何やら香ばしい匂いがするので、じっくり時間を掛けて見たいところだが、時刻は既に18時を過ぎている。とりあえず、バスターミナルに行ってバスの時刻を調べておかないと。最終便に乗り遅れて、この街で一泊する羽目になったらマズい。
ちくしょー、アントネスクめ。奴がいればこんなことには・・・。そういえば、あいつはこの街に住んでいる。そこらじゅうの人に住所を聞きまくって、奴の家を襲撃してやろうか。
とりあえず近所をウロウロして写真を撮るが、これといって面白いものは見当たらない。
書くことも無いので、まあ写真でも見てくれ。
ティラスポールから乗ってきたバス。何故か「ディナモ・キエフ」と書いてある。
ディナモ・キエフはウクライナのサッカーチームなのですが・・・。
トランスニストリア名物、『シェリフ・グループ』のスーパーマーケット。
スミルノフ大統領の一族が経営しており、スーパーマーケットどころかサッカーチームや
カジノまで有する企業集団。カザフスタンと同じような政権の腐敗臭がする・・・。
謎のプロパガンダ看板。中央には沿ドニエストルではなく、ソ連の国章が描かれている。
でも、「2007」って書いてあるから、作られたのは最近に違いない。
「1944」のほうも意味が分からない。1944年はまだ戦争中なのだが・・・。ベンデールが解放された年?
何故か同じポーズの犬。モルドバもトランスニストリアもやたらと野良犬が多かった。
《つづく》



