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2007.04.30 (Mon)

【黒猫ポンセの野望】「HEARTS OF IRON II」リプレイ(その23)

これまでの経過はこちら
二人揃ってセーブデータを壊してしまうとは、なんと間抜けなのでしょう。


キエフ宣言 - 1940年10月20日~11月8日

ポテンテと枠少尉が相変わらず口喧嘩(周りの人はこれを夫婦漫才と呼ぶ)を繰り返していた10月中旬、中東及び北アフリカ攻略作戦『クラフトヴェルク作戦』が発動された。先遣隊となったフランツ・ベーメ少将率いる海兵隊が10月27日にキプロス島へ、10月30日にはベイルートに上陸して中東への橋頭堡を確保した。
対するイギリス軍はルフトバッフェの激しい空爆に晒されて逃げ惑うばかりだった。

ベーメ少将がベイルートを確保したのを見たブロンベルク元帥率いるドイツ・アラブ軍集団が海路にて中東へ向かっていた11月6日、世界中を激震させるニュースが各国に伝えられた。
アメリカ大統領選において現職のフランクリン・ルーズベルトが落選したのだ。

アドルフ・ヒトラー

ポテンテ補佐官、良い知らせだ。ルーズベルトが落選したそうだ。
これでアメリカが欧州に介入してくる可能性は一段と低くなった。アメリカの助けを待ち望んでいたチャーチルやド・ゴールは今頃頭を抱えているだろう。

カール・ポテンテ

総統、油断は禁物です。新大統領のウェンデル・ウィルキーはルーズベルト以上の対ドイツ強硬派と聞いています。

アドルフ・ヒトラー

何だと?!

カール・ポテンテ

しかし、アメリカ国民は依然として欧州への介入を快く思っていません。国是である「モンロー主義(孤立主義政策)」を曲げることになりますからね。加えて、大統領になったばかりのウィルキーにはルーズベルトのような強固な政権基盤はまだありませんから、参戦に手間取ることは確実です。
仮に欧州へ介入してくるとしても、その時期は大幅に遅れるでしょう。

アドルフ・ヒトラー

よし、今のうちにイギリスとフランスを叩いてしまうのだ。インドとアフリカの攻略を全力で進めよ。

カール・ポテンテ

了解しました。

アドルフ・ヒトラー

ふはははは、ルーズベルト。哀れな男だ。我が国の台頭に危機感を覚えたものの、血を流す覚悟も無い堕落しきったアメリカ国民に裏切られたか。
海の向こうで指をくわえて見ているがよい。わーっはっは。

カール・ポテンテ

・・・・・・・・。
(いずれ、あなたもルーズベルトと同じ道を辿ることになるのですよ、総統閣下)


11月8日、「ローゼンベルク・ドクトリン」に従い『ウクライナ共和国』が独立した。ロシア(ソ連)から独立し、自分達の国を持つというウクライナ人の悲願はついに達成された。
大統領は先にドイツ軍に投降したばかりの元赤軍中将アンドレイ・ウラソフが就任することとなった。ウクライナ人は政権を任せられる受け皿となる独自組織(パルチザン等)を持っておらず、人選に苦慮したドイツ政府はウラソフに白羽の矢を立てたのだ。

首都キエフの中心街にある「カリーニン広場」は、この独立を記念して「独立広場」と改名された。そしてその広場で開かれた建国式典には総統の名代としてポテンテも出席していた。

カール・ポテンテ

ウラソフさん、大統領就任おめでとうございます!

アンドレイ・ヴラソフ

やぁ、ポテンテさん。よく来てくれました。
しかし、どうして私が大統領に・・・。私はウクライナ人ではないのに。

カール・ポテンテ

ウクライナは旧ソ連領で一番最初に独立を果たすことになる国です。つまり、この国はボリシェヴィキからの解放を象徴する存在となるのです。
その国の国家元首にふさわしい人は、あなたを置いて他にはいない。

アンドレイ・ヴラソフ

しかし、私に大統領が務まるだろうか・・・。

カール・ポテンテ

何を弱気なことを。あなたの願う世界を作るチャンスですよ。それに、あなたを信じてここまでついて来た多くの元赤軍兵士がいるではありませんか。

アンドレイ・ヴラソフ

・・・分かりました。全力を尽くしましょう。


独立広場に作られた特設の演説台にヴラソフ大統領が立った。背後に立つレーニン像の顔の部分には新しいウクライナ国旗が被せられており、首からぶら下げている看板には「謝罪します」と書かれている。スターリンが見たら激怒するに違いない演出だ。
やがてウラソフの演説が始まった。

「ウクライナ国民の皆さん!長年、ロシアやソ連によって虐げられてきたウクライナ人の悲願が、ウクライナ人国家を建国するという夢が今ここに実現しました!わたくしアンドレイ・ウラソフは、命を掛けて大統領としての責務をまっとうすることを誓います。
さて、まず最初に皆さんが感じている疑問にお答えしたい。何故、ロシア人である私がウクライナ人国家たるウクライナ共和国の大統領なのか。それはこの国が生まれた瞬間から持っている使命によるものなのです。

私はロシアで生まれた農民の息子であります。そして、農民に土地を、労働者により良き生活を、国民に輝かしい未来を約束する戦いのため赤軍に入隊し、以来20年以上に渡って赤軍に奉職してきました。私は、ボリシェヴィキの掲げる革命が、民衆に土地と自由と幸福を与えてくれると信じていたのです。
しかし、私はボリシェヴィズムに対する戦いの道に入り、すべての民衆に対して私と共に戦うよう呼びかけてきました。それは、何故なのか。私の呼びかけを聞いた人ならば、誰もが抱く疑問でしょう。そして、私はこの疑問に対して誠実に答える用意があります。

皆さん、ついこの間まで続いていたソ連政府による統治を思い出してください。ボリシェヴィキが勝利しても、ソ連人民は何ひとつとして手に入れることができなかったのです。私は、労働者がどれほどつらい生活を送っているのか、農民がどのようにして強制的にコルホーズに押しこめられたのか、数百万のソ連人民が不当な理由で逮捕され、ろくな裁判も行われずに死んでいったのかを見てきました。
さらに、スターリンとその取り巻きどもは大粛清によって赤軍を解体し、その赤軍はこの戦争において民衆に悲惨な犠牲を強いました。その戦いの中、私は、祖国という神聖なる仮面をかぶったボリシェヴィズムのために、どうしてこれほどの人民の血が流されなくてはならないのか、いつも自問せざるをえなかったのです!

そして、私はソ連人民がボリシェヴィキによって戦争に引き込まれたのは、スターリンの野心のためであり、自分たちには関係のないイギリスやアメリカの資本家たちの利益のためであると気づいたのです。スターリンは、イギリスとアメリカの利益を図ることで世界支配という自分の計画が実現できると考えていました。そして、この計画を実現させるためにソ連を戦争に引き入れ、我々に数多くの災禍をもたらしました。
これ以上血を流すのは犯罪ではないでしょうか!ボリシェヴィズムとスターリンは我々の敵なのです!誠実なスラブ人であれば、スターリンとその取り巻きに対する戦いに立ち上がることは、第一の聖なる義務ではないでしょうか!

ウクライナは旧ソ連領で一番最初に独立を果たしました。我が国はボリシェヴィキからの解放を象徴する存在であり、ボリシェヴィキからの解放において先駆けとなるべき存在なのです!
皆さん、我々がかつて同じソ連人として共に暮らした諸民族は今もボリシェヴィキの圧政に苦しんでいます。我々は誠実なるスラブ民族としてこの隣人達を助けるために立ち上がらなければなりません。これこそが私が大統領となった理由であり、私をこの世に生を受けた理由なのです!
ウクライナに真の自由を!そして我らの同胞にも真の自由を!今このときもボリシェヴィキの圧政に苦しむ同胞を救いましょう!」


独立という悲願を達成し、理想郷の実現に燃えるウクライナ人はこの演説に興奮し、会場には「ウクライナ!ウラソフ!」という大合唱が響いた。ウラソフ大統領のこの演説は『キエフ宣言』と命名され、ナチス・ドイツが誇るプロパガンダの天才ヨーゼフ・ゲッベルス宣伝相の手によって「かつてのソ連国民であるウクライナ人自らが、他のソ連国民をボリシェヴィキの圧政から解放する」というプロパガンダとして徹底的に活用されることとなった。

壇上で拍手喝采を受けるウラソフの姿を見ながら、ポテンテはつぶやいた。
「見事ですよ、ウラソフさん。あなたならウクライナ人の幸せを実現できるでしょう。しかし、私にもまた成すべきことがあるのだ。そのためには、あなたも、そしてこのウクライナも利用させてもらいます。戦争は続く。あなたにはもうひと働きしてもらいますよ」

閣僚名簿を見ると、ウクライナで住民を殺しまくっていたナチスの将校エーリッヒ・コッホが何故か政府首班(首相)になっていた。ウクライナは、よほど人材が不足しているらしい。
独立とはいっても名ばかりで、実際はドイツの属国という扱いなのだ。ポテンテは見なかったことにした。



◆スクラップ&スクラップ - 1940年11月9日~12月23日(ぎ印ドイツ帝国暦2007年4月29日

11月28日、ウクライナに続いて『グルジア王国』が独立した。19世紀初頭にロシア帝国に併合されて滅亡した王国が、約140年ぶりに復活した。

※国家元首の名前が「アンドリー・チヴェジェゼ2世」でHRHの称号がついていることから、第一次世界大戦後にスペインに亡命したグルジア王家の人間と思われる。ゲームで使われている国旗は1918年から1920年まで存在した「グルジア共和国」のものだが、そういう理由で「グルジア王国」としておきます。


12月19日、グルジアに続いてアルメニアが『アルメニア民主共和国』として独立。第一次世界大戦でアルメニア義勇兵を率いてオスマン・トルコと戦った英雄アンドラニク・オザニアスが大統領兼首相(総統)に就任した。

アルメニア人の住む土地はロシア帝国とオスマン帝国によって分断されていたが、ロシア帝国が革命で転覆したことに乗じて、バルト三国やフィンランドなどと同様に1918年に独立を果たした。また、オスマン帝国も第一次世界大戦で敗北したことから、アナトリア地方東部(現在のトルコ東部)もアルメニア領となることが連合国によって約束された。ところがあまりに苛烈な仕打ちに危機感を覚えたケマル・アタトゥルク率いるアンカラ政府(後のトルコ共和国)はこれに激しく抵抗し、戦後のドサクサに紛れて進軍してきたギリシャ軍を返り討ちにすると、さらにソ連と同盟を結んでトルコを切り刻もうとする連合国を揺さぶった。
これに慌てた連合国は、より穏やかな内容の「ローザンヌ条約」を締結してトルコをなだめることとした。しかし、この条約によってアルメニア人の統一国家建設の約束は反故にされ、トルコとの密約によって進駐してきたソ連軍によって1920年にアルメニアは踏み潰されたのだった。
その後オザニアスはアメリカに亡命していたが、再びアルメニア人の民族自決を夢見て首都エレヴァンに舞い戻ってきた。アルメニア人にとっての富士山である「アララト山」はトルコ領のままであり、当初に約束されたものに比べると半分以下の面積しかない小国ではあったが、とにかくアルメニア人の国が復活した。
ポテンテとローゼンベルクはグルジア、アルメニア、アゼルバイジャンの三国による「カフカス連邦」復活を目論んだが、この3ヶ国はお互いに仲が悪く、無理やり連邦制を導入しても1918年のときと同様に短期間で崩壊するのが目に見えていたことから諦めた。彼らには、バルト三国のように「同じ境遇に位置する者同士」として連帯する意識は皆無だったのだ。

※史実では、オザニアスは1927年に亡命先のアメリカで死亡しているのだが、何故かゲームに登場する。また、ロシア革命の混乱に乗じて独立を果たしたグルジア、アルメニア、アゼルバイジャンの3ヶ国は1918年に「トランスコーカサス共和国連邦」を結成しているが、1年も経たないうちに空中分解して、1920年に3ヶ国ともソ連によって踏み潰されている。


12月23日、ウクライナ、グルジア、アルメニアの独立式典への出席を終えたポテンテは、約1ヶ月半ぶりにベルリンへ帰ってきた。
総統は、ベルリンを大ドイツの首都にふさわしい都市に改造する再開発計画「世界首都ゲルマニア計画」を進めており、ベルリン市内ではいたるところで工事が行われていた。官庁街からほど近い閑静な住宅街の一角にあるポテンテのアパートの前でも道路工事が行われており、行き交うダンプカーが巻き上げる埃が辺りに立ち込めていた。

帰宅したポテンテはコートと帽子についた埃を払うと、それを玄関のコートハンガーにかけて一息ついた。このコートハンガーは、総統お気に入りの建築家アルベルト・シュペーアのデザインによる特注品で、ポテンテのお気に入りの一品だった。
旅装を解きソファーに倒れこんだポテンテは、クッションの柔らかい感触を楽しみながら一言つぶやいた。
「やはり、我が家にいるときが一番安らぐ。これで私の後ろにそびえ立つエベレスト山がなければ最高なのだが」

次の瞬間、当番兵兼ボディガードを勤める枠少尉の強烈なパンチがポテンテの後頭部に炸裂した。少尉はソファーの上でうめき散らすポテンテを尻目に、部屋に妙なものが仕掛けられていないかどうか調べるために立ち去った。


やがて起き上がったポテンテはパソコンに向かい、『神の見えざる屁』を読んで「ぎ印ドイツ帝国」の動向をチェックしはじめた。最近の記事には、ギターを弾いて遊び呆けているGuicho Zurdoが参謀ゴルビ犬と交わした会話の様子が綴られていた。
「あの独裁者め。トロピコ放置国家編のリプレイも更新せず何をしているのかと思っていたら、ギターを弾いて遊び呆けていたか。読者を何だと思っているのだ」

ポテンテがいまいましげにつぶやいた次の瞬間、驚くべき一文が彼の目に飛び込んできた。

『何たることだ。何たることだ!何たることか!!黒猫ドイツ帝国はおろか、ぎ印ドイツ帝国までもがセーブデータをスクラップ&スクラップとは。馬鹿過ぎる。ダブルで馬鹿過ぎる』

どうやら、ポンセの中の人に続いてGuicho Zurdoもセーブデータを破損したらしい。ゴルビ犬の呆れた顔が目に浮かぶようだ。夢の「ゴルビスタン帝国」建国の夢が遠のいたゴルビ犬の嘆きに対して、Guicho Zurdoは悪びれもせずに次のように言い放った。

『いやね、エイリアン国家を出現させられるなんて聞いたもんだから、日付遡ってちょっとそれで遊んでみたんだな。挑んでは敗れ挑んでは敗れのいやー強いねえ、まではよかったんだが、その状態で最新データに上書きセーブしてしまっての…』

Guicho Zurdoも最初からゲームをやり直す羽目となり、現在着々とゲームを進めている最中だという。最初のプレイとは異なりイラクが枢軸に加わり、レバノンやシリアもドイツと友好関係にあるようだが、そんなことは些細な違いに過ぎない。
Guicho Zurdoは依然として世界征服を企んでおり、そのような些細な違いなどは彼の言うとおり「逝き着く先は変わらん。微妙になるのは日付けくらいじゃ」ということなのだろう。


背後に人の気配を感じたポテンテが振り向くと、そこにはいつものように枠少尉がそびえ立つエベレストのように仁王立ちしていた。ただし、いつもと違って修羅のような形相をしている。
その形相の凄まじさに耐え切れなくなったポテンテが目を逸らした次の瞬間、枠少尉の怒号が部屋に轟いた。
「これはどういうことなのか!今まで書き綴ったものは一体何だったのか!世界はお前らのおもちゃではないわ!二人とも何を考えているんじゃ。真面目にやらんか、この馬鹿者ーっ!」

ポテンテが最後に見たものは、自分の顔面に向かって飛んでくる拳だった。彼が次に目を開けたときに見えたものは、心配そうにこちらを覗き込む総統秘書官ニーナ・ゲーレンの顔であり、シャハト国防相に叱られてへこんでいる枠少尉であり、「シャリテ大学病院」と刺繍された白衣を着た看護婦の姿であった。


≪つづく≫

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