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2006.12.29 (Fri)

「中央アジアの変な国」トルクメニスタンの独裁者ニヤゾフ大統領、死す

皆さんは、ロシアとイランの間にある「謎の永世中立国」トルクメニスタンをご存知か?1991年にソ連が崩壊して独立した国で、豊富な石油や天然ガス資源が眠っていることから近年注目されている。
しかし、そこは旧ソ連の国。普通の国なわけが無い。国家元首であるサパルムラト・ニヤゾフ大統領の存在によって、この国は「変な国・バカな国マニア」から熱い注目を集めてきた。

ソ連崩壊前からこの国に君臨していたニヤゾフの独裁体制は1991年の独立以降も揺るがず、2002年には「終身大統領」に就任して専制君主同然の存在となっていた。ニヤゾフは自身を神格化させ、極端な個人崇拝を推し進めていたことから、欧米諸国では「中央アジアの北朝鮮」「北朝鮮の次に報道の自由のない国」として悪名高い。
にゃおんちゃんはトルコに留学しているトルクメニスタン人と話したことがあるが、ニヤゾフについて質問したところ「彼については何も語りたくない」と質問を拒絶されたことがある。


幸いなことに石油や天然ガスを産出するこの国はそれなりに裕福なため、北朝鮮のような悲惨な状態にはなっていない。また、ニヤゾフは金正日と違って石油や天然ガスを武器に積極的な外交政策を展開し、1995年には国連から永世中立国としての認定を受けている。このような経緯から周辺国やアメリカなどとの関係もそれなりに良好で、北朝鮮のような袋叩きには遭っていない。
「うちの石油・ガスを高く買ってくれれば、どこの国とでも仲良くします」「我が国は領土的野心は無いので永世中立国を宣言します」という外交政策によって国際社会から体制保障を取り付けたわけだ。もっとはっきり言うと、「ワシャ外の世界のことには興味無いんじゃ。石油や天然ガスを高く買ってくれれば満足なんじゃ。だから、ワシの国のことに口出しせんでくれ!」ということ。

これによって国際社会から体制についてお墨付きを得たニヤゾフは奇妙奇天烈な政策を次々と打ち出す。ニヤゾフが出した大統領令(独裁国家トルクメニスタンでは命令に等しい)を見てみよう。

・首都と大学を除き、全ての図書館を廃止
 →ニヤゾフ曰く「田舎の奴は字が読めないのだから必要ない」
・バレエ上演を禁止
 →ニヤゾフが「白鳥の湖の男性ダンサーの衣装が気に入らない」ため
・喫煙を禁止
 →ニヤゾフ曰く「煙草は健康に悪い。ワシも止めたのだから、お前らも止めろ」
・8月15日をメロンの日に制定
 →ニヤゾフの大好物がメロンだから
・首都ではほぼ50メートルごとに、ニヤゾフの肖像や銅像が設置されている
 →ニヤゾフは「トルクメンバシュ(トルクメン民族のリーダー)」だから


誰も逆らえない独裁体制を作り上げ、我が世の春を謳歌していたニヤゾフだったが、12月21日に66歳の若さで死亡した。かねてから糖尿病と心臓病を患っていたニヤゾフだが、死因については心臓発作と伝えられており、急な他界だった模様。

トルクメニスタンのニヤゾフ大統領死去 終身独裁制築く 

 終身大統領として、北朝鮮と並ぶ特異な独裁体制を中央アジアで築いたトルクメニスタンのサパルムラト・ニヤゾフ大統領(66)が21日午前1時10分(日本時間同5時10分)急死した。国営テレビは「心臓病のため」と伝えた。憲法の規定で2カ月以内に大統領選挙が実施されるが、長年にわたる独裁下で政党などは機能しておらず、後継問題をめぐって混乱が起きる可能性もある。

2006年12月21日 ロイター

独裁者が亡くなったとなれば国の方向性が大きく変わる可能性もあり、またこの国の豊富な地下資源を狙う周辺国や大国の思惑も絡むことから、今後トルクメニスタンがどのような方向に向かっていくのか注目が集まっている。
後継者も独裁的な政治を行うのか、はたまた民主的な国家へと変貌を遂げるのか。そして数々の奇妙奇天烈な施策はどうなってしまうのか。「中央アジアの変な国」の未来は如何に?



実は、いずれ「香ばしき国々」で取り上げようと思いコツコツと下調べをしていたのですが、ニヤゾフ死去によって頭の中に描いていたアイディアをぶっ飛んでしまいしまた。
とれあえずトルクメンバシュがあの世に旅立たれた、という報告をさせてくただきました。

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