2006バルト三国旅行記(その17) - 女神を見た日(9月9日)
前回の記事の続きです。
この日、にゃおんちゃんは女神様に遭遇しました。
◆聖三位一体教会にて
歩き疲れて足が痛くなったので、再び旧市街地をブラブラと歩いてホテルに戻る。せっかくのヴィリニュスなのに勿体無いと言われそうだが、今日は休養日にすると決めているので、これでいいのだ。
元々シャカリキになって名所巡りをするのは好きではない。その街の雰囲気や空気を感じられれば、それからその街に住む人と話すことで何かが垣間見えれば、にゃおんちゃんは満足なんだわい。
夜明けの門まで戻ってきた際、その少し手前にある聖三位一体教会へ行ってみることにした。この教会はホーリー・トリニティ、またの名をユニエイトという宗派に属する。
このユニエイトは、東方正教の儀礼を用いているにも関わらずローマ教皇に帰依する、という何ともヘンテコな代物。以前に礼拝を見たことがあるが、思いっきり東方正教のスタイルだったうえにロシア語(いや、もしかするとウクライナ語)が使われていて、あまりのヘンテコさに混乱した記憶がある。何も知らなければ、ただの正教教会と勘違いしたに違いない。
かつてカソリック国のポーランドが正教徒の住むウクライナを統治する際、住民を懐柔するためにこのような宗派を作ったらしい。
ということは、今の時代にこんなヘンテコ宗派は当然日陰者なわけで、この教会は旧市街地の表通りからたった20mほど奥に入ったところにあるにも関わらず、訪れる人も殆どおらずひっそりとしているし、建物だってボロボロのまま。周辺にある他の教会はひっきりなしに地元の老人や観光客で賑わっているのとはあまりに対照的だ。
表通りに面している門だけはそれなりに立派だが、教会本体は朽ち果ててボロボロで、まるで廃墟を見ているような気分になる。
幽霊が住み着いていそうなオンボロ教会を眺めてしばし物思いに耽る。
聖三位一体教会の塔
◆夜明けの門で見た女神
表通りへ戻ると、またしても結婚式に遭遇した。今日一日でもう既に5〜6組の新郎新婦を見ている。どうやら夜明けの門の中にある教会で式を挙げたようで、門を背景にして記念撮影をしている。
ついでだからあの凄いイコンをもう一度拝んでおこうかと思い、夜明けの門の中にある教会へ行くと、またしてもウェディングドレス姿の女性が。一体何なんだ、今日は。
しかし、この新郎新婦は少し違った。一瞬息が止まりそうになるほどの美人なのだ、新婦が。いや、マジで。マジで一瞬見とれました。あなたは女神か?
この新婦は目ざとい人で、にゃおんちゃんが固まっているのを見逃さなかった。こっちを見て微笑んでいる。彼女はウェディングドレスを見て驚いたと思っていたようだが、それは違うのだ。あなたの美しさに驚いたのだ。
式が始まる前にイコンを拝んでおこうと思い、中へ入る。うーむ、いつ見ても凄いイコンだ。本当ならばもっと大きな感動があるはずなのに、このイコンよりも美しい女性を見てしまったせいで神様も霞んでしまった。神よ、お許しを。これはあのような美女をお作りになったあなたの責任であって、にゃおんちゃんの責任ではない。
夜明けの門の中にあるイコン
式が始まりそうなので速やかに外へ出たところ、新郎新婦がニコニコしてこっちを見ているので「おめでとう」と声を掛けた。二人とも気さくな人で、「ありがとう。あなた、どこから来たの?」と尋ねてきた。郷ひろみ風に「ジャペーン」と答えると、「随分遠くから来たのね」と驚いていた。
新郎に、「あなたの奥さんは凄い美人だな。にゃおんちゃんにもあなたの幸運を分けてくれ」と言うと、本人は照れていたが後ろにいた彼の友人達が爆笑していた。その友人達からリトアニアに来た理由を聞かれたので、ヴィリニュスはオイラの心のふるさとなのだと答えると、 「そんなにここが好きなら、リトアニア人と結婚してここに住めばいいじゃん」と言われる。
だから、その方法を教えてくれと言っているの!
一瞬ユリアの顔が脳裏をよぎるが、あんなジャジャ馬と結婚したら尻に敷かれること確実どころか、下手すりゃにゃおんちゃんが主夫になって家事に追われる日々を過ごすことになりかねない。必死に頭を振ってその妄想を打ち消す。
やがて式が始まったので、部外者のにゃおんちゃんは人垣の後ろからひっそりと見守る。
しばし見守った後、そっと退室した。遠く離れた異国に住む名前も知らない人達だが、あの夫婦の幸せを祈る。ラーメン。
夜明けの門で見た結婚式



