2006.03.27 (Mon)
野党勢力で内紛勃発!もはやここまでか? - 2006ベラルーシ大統領選⑧
ミリンケビッチ、コズリンの両大統領候補率いるベラルーシの野党勢力は、選挙が終わった19日夜にミンスク市内の「10月広場」というところで約1万人を集めて抗議集会を行いました。抗議の内容は、「今回の選挙には数々の不正があるから、ルカシェンコ大統領の当選は無効である。7月に再度選挙を実施せよ」というものです。
19日以降も人数は3,000~4,000人程度でしたが、彼らは10月広場で毎日抗議集会を開いていました。また、週末の25日には再び1万人規模の大規模集会を計画していました。
最初は、「たかが1万人」とタカをくくっていたルカシェンコ大統領ですが、野党勢力の往生際の悪さについに堪忍袋の緒が切れたらしく、24日未明に治安部隊を投入して10月広場からデモ隊を強制排除しました。
ルカシェンコが牙を剥いてくれたほうが、実は野党にとっては好都合です。「人権弾圧反対!独裁者打倒!」という錦の御旗を掲げてデモ行進できるわけですし、そうなると欧米のメディアも注目してくれます。グルジアやウクライナと違い、ルカシェンコ大統領の政権基盤は非常に強力です。なので、野党勢力の味方は国内にはいません。彼らの頼みの綱は欧米諸国やその支援を受けたNGOです。
早速、野党勢力は強制排除にも懲りずに25日に再び集会を開きました。ただし、10月広場が当局によって封鎖されていたので、ミンスク市内の別の場所で行いました。
ところが・・・。抗議集会の終了後、野党指導者のひとりであるコズリンが集まった群衆の一部を引きつれ、今まで当局によって逮捕された市民が収監されている警察の施設に向かってデモ行進を開始。その途中で警官隊と衝突し、けが人数名が出たほか、コズリンも逮捕されるという事態となりました。
問題はもうひとりの指導者、ミリンケビッチがこのデモ行進について全く知らなかったこと。どうやら、コズリンが勝手に一部の市民を扇動して行ったことのようです。
勝手なことをしてすっかり当局の態度を硬化させてしまったうえに、負傷者まで出してしまったコズリンに対して、ミリンケビッチは相当おかんむりの様子。
反政権側、流血の責任巡り内紛…ベラルーシ |
今頃、ルカシェンコ閣下は高笑いしてるでしょうね。
ただでさえ支持基盤が弱い野党勢力が内輪揉めしてるんですから。
チェルノブイリ原発事故から20年目となる4月26日に20万人規模のデモを計画してるようですが、今まで集まったのは最高で3月19日夜の1万人です。ミンスクの人口は180万ですが、集まったのはたったの1万人。ブレストやゴーメリといった他の主要都市ではこれに同調する動きは全く見られません。ミリンケビッチの地元であるグロノドですら、何も起こっていません。
これでどうやって20万人も集めるの?