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2009.07.15 (Wed)

2008ベラルーシ・ウクライナ旅行記(最終回)

2ヶ月ぶりの更新とは・・・ごめんなさい。
2008年の旅行記は今回で終了です。1年もかかってしもた・・・。

前回の続きです。

◆オボロン・スタジアムにて

サッカー・ウクライナ・プレミアリーグ、アルセナル・キエフ vs ゾリヤ・ルガンスクの試合を見に行ったにゃおんちゃん。幾多の苦難の末にやっと試合を見ることができた。
さてさて、どうなったことやら・・・。

アルセナル・キエフにゾリヤ・ルガンスク、どちらも万年中位のチームでタイトルを取ったことすら無い(ルガンスクは1972年にソ連リーグでの優勝経験あり)し、代表クラスの選手もいない。こんなマイナーチームを見る機会はもう二度と無いかもしれないので、しんどい思いをして見に来たが・・・試合が始まると予想通りレベルが低くてガックリする。

アウェイのルガンスクはガチガチに引いて守ってひたすらカウンター狙い、一方のアルセナルもサイドのスペースに味方を走らせてはそこにロングボールを入れるだけ。いくら欧州といえどもウクライナ・リーグ、しかも下位チームともなればこの程度ってことか。J2の甲府や湘南のほうがよほど面白いサッカーをしている。
しかし、そんなレベルのチームでも選手の「止める・蹴る」という能力は比較的しっかりしていると感じた。場所によっては芝がかなり荒れているのだが、トラップを思いっきりミスったりボールの処理にモタつく場面はあまり見かけない。J2でも下位ともなれば「こんなのでもプロになれるのか?」と思うほど下手な選手がいたりするが、この両チームにはそういう選手は見当たらない。やっぱり、「腐っても欧州」ってこと?

中盤省略の縦パスサッカーを見せられて最初はガックリしたにゃおんちゃんだったが、選手のレベルは意外に低くないことと、スタジアムの長閑な雰囲気に気を良くして機嫌が良くなる。野郎どもが熱い応援を送ってたディナモ・キエフの試合とは異なり、ここのスタジアムには老若男女が詰め掛けていてプロらしからぬ長閑な雰囲気が漂っている。何だか、近所のグラウンドに高校サッカーの試合を見に来たような気分に・・・。
それにしても、いやーやっぱり生で見る試合はいいね。レベルの高い・低いは関係ないよ。お日様の下、緑のピッチの上で繰り広げられるサッカーを見てるだけで楽しくなる。「Jリーグなんかレベル低くて見てられるか!」とお考えの皆さん、そんなこと言わずに一度地元のチームの試合を見に行ってくださいな。のんびりと眺めてるだけで、きっと幸せになれると思いますよ。


そんなにゃおんちゃんのささやかな幸せは、馬鹿野郎の心無いヤジによって一瞬で吹き飛んだ。

「モンキー!」

何事かと思って客席を見ると、にゃおんちゃんのいる場所からそう遠くない場所にいるウクライナ人のおっさんがヤジを飛ばしていた。

「モンキー!」

誰に向かって言っているのかと思いピッチを見ると、そこには黒人の選手がいた。そう、このおっさんはルガンスクのナイジェリア人DFハリソン・オモコがボールを持つたびに「モンキー!」とヤジを飛ばしていたのだ。アルセナルにだってブラジル人選手がいるだろうに、この馬鹿野郎・・・。
にゃおんちゃんの前に座っていたイギリス人らしき二人組はおっさんのほうを見ては眉を潜めて何かを話している。リナも「あんなこと言うなんて、どこの馬鹿?これだからウクライナ人は!」とおかんむり。

ここには鳴り物も大声援も無い。選手の叫び声や転倒したときの悲鳴が聞こえてくるくらい静かなのだ。当然、おっさんのヤジはオモコに聞こえているはずだ。
しかし、オモコはそんなヤジにも負けず、圧倒的な空中戦の強さでゴール前に放り込まれるボールをことごとく弾き返す活躍を見せた。リナも「彼は凄いわね!」と喜んでいる。


白/赤がアルセナル・キエフ、赤/黒がルガンスク


試合は結局1-1のドローで終わった。
誰がゴールしたか、誰が活躍したか、まるで覚えちゃいないが意外に楽しめた。
やっぱりサッカーはいい。

試合終了後、チケットの真ん中にデカデカと書かれている文字についてリナに尋ねてみた。これ、何て書いてあるの?
「招待券って書いてあるわよ」
あのダフ屋・・・招待券を20UAHで俺に売りつけやがったのか・・・。

アルセナルのユース所属と思われる男の子がアルセナルのバスの前で記念撮影している光景なんかを見て、ほのぼのしながら地下鉄駅へ向かったにゃおんちゃんだが、駅へ着いたところで肝を冷やす場面に遭遇した。
なんと、にゃおんちゃんの真後ろで乱闘が始まったのだ。すぐにリナを連れて走って逃げたので無事だったが、振り向きざまに見た限りではルガンスクのサポーターはいなかった。どうやら、アルセナル・サポーター同士の乱闘だった模様。ヤジを飛ばしていたおっさんといい、このチームのサポはDQNばっかりなのか?

帰りの地下鉄の中でリナが一言。
「ほらね、やっぱりこの辺りは治安が悪いのよ」
うむ・・・もう二度と来ることは無いな。


帰りにフレシャーティク通りのレストランで夕食を食べてリナと別れる。
明日はもう帰るだけだな。今回の旅行はこれでおしまい。
律儀なリナは明日空港まで見送りに来てくれるという。

  
左:ディナモ・キエフのレプリカ。背番号25 アルテム・ミレフスキー・モデルです。
右:アルセナルとディナモのマフラー。



◆またしてもお前らのせいで!

8月11日(月)
10時にキエフ駅へ向かい、南口からボリスピリ空港行きのバスに乗る。渋滞を恐れて早めのバスに乗ったが、道程は至って順調で1時間もしないで空港へ着いてしまった。これが日本の空港であれば、さっさとチェックインして荷物を預けた後でメシでも食いに行くのだが、この空港は「税関→チェックイン→出国」という順序なので、一度チェックインしてしまうとロビーに戻れない。
せっかく見送りに着てくれたリナをとっとと追い返すのも心苦しいので、出発90分前までカフェで話をする。最後は税関の手前で握手してハグしてお別れ。日本に来ることがあればビザの取得も手伝うし、色々サポートするから。本当に色々と世話になった。ありがとう。

しんみりしながらチェックインしたにゃおんちゃんだが、ボリスピリ空港の悪魔はにゃおんちゃんに余韻に浸る時間を与えなかった。出国審査場が大渋滞でとんでもないことになっていたのだ。いよいよヤバくなったら事情を話して先へ行かせてもらうことになるかも・・・。
出国審査を待つ人々の列は徐々に進んでいくが、どういう訳かにゃおんちゃんの並んでいる列だけはその速度が恐ろしく遅い。どうして・・・?

背伸びして前を見ると、また奴らがいた。そう、中国人だ。
どうしてお前ら、こんなところにいるんだよ!しかもゴチャゴチャと・・・何人いやがるんだ?お前らがいると渋滞するんだよ!お前らは家でおとなしくオリンピックでも見てろ。な?そうしてくれ、お願いだから!

またしても中国人のせいでイライラするにゃおん氏。そんな私の心境を知ってか知らずか、アロハシャツを着たウクライナ人のおっさんが話しかけてくる。
「俺はバカンスでこれからバンコクに行くんだよ。いやー、楽しみだなぁ」
何だか分からないが、何かを叫びたい衝動に駆られるにゃおんちゃん。


待つこと数十分、中国人どもは出国したようだが、にも関わらず列は一向に進まない。ついには前に並んでいたオランダ人達も騒ぎ出した。
「飛行機に乗り遅れちまう!」
「どうしてこの列だけがこんなに遅いんだ?」

そして、時間はついに出発15前を切った。あー、ほんとに乗り遅れる~!
彼らも同じ便に乗るのだろうか?オランダ人達も大騒ぎしている。
しかし、ファイナル・コールのアナウンスも無ければ、我々を呼び出すアナウンスも無い。もしかして出発が遅れているのか?頼む、そうであってくれ。

我々が出国審査をパスしたのは、にゃおんちゃんが乗るヘルシンキ行きの出発時刻と同じ13時50分。我々は半狂乱となり、オランダ人達は審査官に向かって悪態をつき始めた。
「お前は今日初めてこの仕事をしてるんだろう?だからそんなにトロくさいんだろ?」

ついでなので、にゃおんちゃんも一言文句を言ってから搭乗口へ向かう。
「もし飛行機に乗り遅れたら、お前のせいだからな。ヘルシンキ行きのチャーター機を用意しろよ!」


オランダ人達と共に全力疾走で搭乗口へ向かうと、そこには「搭乗口が○番に変更となりました」という表示が。だーっ!どーなってんだー!
再び全速力で空港を駆け抜け、目的のゲートへ到着すると、「14時10分出発」という表示が。どういう訳か知らないが、出発が20分ほど遅れているようだ。良かった、これならギリギリ間に合う・・・。

飛行機へ向かうバスに乗り込むと、そこには先ほど渋滞の元凶となった中国人どもが。全力で奴らにガンを飛ばして威嚇する。
中国人というのはどこまでも空気を読めない人種なのだろうか?全身から殺気を放つにゃおんちゃんに対し、中国人のおっさんが自分のチケットを見せながら話しかけてきた。多分、「ヘルシンキ行きの飛行機に乗るにはこのバスでいいのか?」とか、そんなことを言っているのだろう。どう見ても中国人、という風体の連中が他にウジャウジャいるのにどうして私に話しかけてくるのか。しかも中国語で。
ついにブチ切れた私は叫んだ。

I don't speak Chinese!!!

この中国人どもは一体何をしにウクライナへ来ていたのだろう?観光客には見えないが・・・?


これ以降のことは殆ど記憶に無い。
ヘルシンキ行きの便がウクライナ国際航空の運行便だったことと、またしてもヴァンター空港で美味しいサンドウィッチを食い損ねたことくらいしか覚えていない。
何はともあれ、8月12日(火)午前9時に中部国際空港へ無事到着。毛ガニ村の自宅へ着いたのはその日の夕方だった。

≪2008ベラルーシ・ウクライナ旅行記 完≫


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22:44  |  2008ベラルーシ・ウクライナ  |  TB(0)  |  CM(5)  |  EDIT  |  Top↑

2009.05.11 (Mon)

2008ベラルーシ・ウクライナ旅行記(その32)

必死の思いで更新。この旅行記だけは何としても完結させますきに。

前回の続きです。

◆惰性

8月9日(土)
目が覚めると昼を過ぎていた。夜更かししたわけでも飲みすぎたわけでもないのに、日が経つごとに早起きするのがつらくなっている。キエフに来てからロクに観光していないのに、どうしてこんなに疲れているのだろう?
異国での慣れない生活は、ダラダラ過ごしているだけでもにゃおんちゃんの体力を奪っていくようだ。

2日後には帰国するので、お土産を買いにアンドレイ坂へ。ウクライナに来るたびにここで土産物を買っているのだが、他にはフレシャーティク通りに数件ある土産物店くらいしか知らないので選択しようがない。
小物入れとテーブルクロスを購入して終了。何度も来ている場所なので、いまさら辺りの教会やら公園やらを見に行く気にもならない。近くのコーヒーショップに入ってダラダラと時間を潰す。だめだ・・・今回の旅行は前半はともかく、後半は完全に惰性だ。次はもっと刺激的な場所に行こうと誓う。
でも、初めてウクライナに来たときはあんなに新鮮で衝撃的な毎日だったのにねぇ。慣れとは恐ろしいもんだ。


フレシャーティク通りのスタローヴァヤヘ行き夕食を食べた後、噴水の縁に腰掛けて道行く人を眺めながら、ウクライナで出会った人たちのことを考えていた。
ボーッとすること数十分、目の前を見たことのある男が歩いていく。「あれ?」と思っていると、向こうもこちらに気づいて驚いている。今借りている部屋のオーナーだった。

「お前、こんなところで何してるんだ?」
えーと・・・ご飯食べて、休憩してる。

「一人で?ガールフレンドはどうした?」
リナはガールフレンドじゃねぇっすよ、大家さん。

「そ、そうか?まあ、いいや。俺はこれからパーティーがあるんだ。じゃあな!」
・・・・・・・・・。
ヒュー・・・・寂しい、帰る。


さっさと家に帰り、いつものようにウォッカをチビチビ飲みながらTVを見る。
南オセチア情勢は特に目立った進展は無いようで、昨日見た映像を繰り返すばかり。チャンネルを変えると、ロシアリーグとウクライナリーグのダイジェストをやっていたので、見入る。
あ、そういえば明日はアルセナル・キエフの試合があるな。しかし、依然としてスタジアムの場所が分からない。明日、もう一度インターネットで調べるか・・・。
しかし、夜中にリナから電話がかかってきた。

「あなた、明日サッカーを見に行くんでしょ?私が連れて行ってあげるわ。」
かたじけのうござる、リナ殿。

夜遊びもせず、午前1時に就寝。
そういや、今回の旅行ではまったくと言っていいほど夜遊びをしていない。
一体どうしたのだろう?憑き物が落ちた?

ウズベキスタン大使館前の掲示板
帰り道に偶然見つけたウズベキスタン大使館前の掲示板。新聞らしきものが掲示されていました。
中央にカリモフ大統領の写真が見えますが、リナに見せたところ「貧乏国の悪党ね?」と一刀両断しました。リナさん、かっこええっす。w



◆幻のオボロン・スタジアム

8月10日(日)
さて、今日は今回の旅行の最終日。明日はもう飛行機に乗って帰るだけ。
だと言うのに、起きたのは13時。リナから電話が来なければ、夕方まで寝ていたかもしれない。何もしてないのに、どうしてこんなに疲れているのか。
リナは急な仕事が入ったらしく、今はオフィスにいると言う。15時に街中で合流する約束をして電話を切る。スタジアムの場所はやはり分からないという。

にゃおんちゃんも出かける準備をするとインターネットカフェへ行き、調査を開始。しかし、やはりロシア語の壁にぶち当たり挫折してしまい、電話でアンナさんに泣きつく。お願い、調べて~。
しかし、ウクライナ人のアンナさんをもってしてもスタジアムの位置は分からない。彼女はわざわざ友達に電話までして探してくれたが、「そんなスタジアムは知らん」と言われる始末。
どこにあるんだ、オボロン・スタジアム・・・。


15時、フレシャーティクでリナと合流すると、彼女はどうやって調べたのかスタジアムの最寄り駅だけは調べていた。地下鉄2号線のオボロン駅かと思っていたが、そこではなく同じ2号線のヘロイヴ・ドニプラ駅が最寄り駅らしい。
ヘロイヴ・ドニプラ・・・ドニエプル川の英雄?誰のことだろう?

地下鉄に飛び乗り、あっという間にヘロイヴ・ドニプラ駅へ到着。しかし、ここからスタジアムまでの道はリナも分からない。目の前にはバスターミナルが、遠くには高層アパート群と空き地が広がるだけで、スタジアムはどこにも見当たらない。
近くにいたおばちゃんに尋ねると、「あのバスに乗りなさい」と言われる。さすがに地元の人は知っていた。にゃおんちゃんの脳内にしか存在しないスタジアムなんじゃないか?という不安からやっと解放される。

バスに乗って数百メートル移動し、カーブを曲がると目の前にスタジアムが。そうか・・・間にある高層アパートが邪魔で駅から見えなかっただけで、こんなに近くにあったのだね。
バスを飛び降り、スタジアムへ向かって走る。もうキックオフまで時間が無い!

ヘロイヴ・ドニプラ駅周辺
ヘロイヴ・ドニプラ駅周辺。高層ビルが立ち並ぶ典型的な郊外の団地です。
リナ曰く、「治安があまり良くない地域なので、夜には来ないほうがいい」そうです。


しかし、ここでまた問題発生。散々苦労した末にスタジアムの入口には、何故か人だかりが。近くにいたおじさん達に尋ねると、「チケットが無いから、入れない」と言う。そんなもん、買えばいいだろ。
と、チケット売り場を探すが、そんなものはどこにも無い。会場に入れないおじさん達と入口を警備する警官が何やらゴチャゴチャ言い合っている。どうなってるんだぁ?
売り切れなわけではない。だって、でっかいメインスタンドはガラガラなんだもの。ホントにどうなってるんだぁ?

ここまで来て入れないなんて・・・と泣きそうになるが、アルセナルのグッズを売っているおばちゃんを見つけたので、とりあえずマフラーを買う。そのおばさんは先日のディナモの試合でも商売をしていたようで、「あら、あんた、見たことあるわよ?ディナモの試合にも来てたわね?」と言う。やっぱり東洋人は目立つんだねぇ。
レプリカも欲しかったのだが、おばさんは「そんなものは無い」と肩をすくめる。どこに行けば買えるのか尋ねたが、「どこでも買えない。売ってないから」と言われてヘコむ。
そういえば、ディナモのレプリカはどこでも買えるが、アルセナルのレプリカはキエフの街中で一度も見たことが無いことに気づく。一般には販売されていないのか、それとも生産枚数が物凄く少ないのか。残念である。


スタジアムに入れず入口の前をウロウロしていると、チケットの束を持った怪しい兄ちゃんが近寄ってきた。ダフ屋だな?
向こうはにゃおちゃんを見つけると、チケットの束を目の前に差し出して「20UAH」と言う。よし、買った!買った!どうせボッタクリ価格なんだろうが、ここまで来て試合を見ずに帰れるか。

ダフ屋の兄ちゃんはにゃおんちゃんを中へ誘導すると、親切にも席まで探してくれたのだが、周りには何やら見慣れぬチームのレプリカとマフラーをした若者の集団が。やたら威勢が良く、全員で飛び跳ねて掛け声を叫んでいる。

ちょwwwwおまwwww これ、アウェーチーム(ルガンスク)のサポーターwww

ただでさえ目立つ東洋人がアルセナルのマフラーを持ってウロウロしていい場所ではない。速やかに脱出を試みるが、警官が行く手を阻む。
おーい、俺はアルセナルのサポーター。ほら、このマフラー見ろ。な?な?

しかし、警官は頑としてにゃおんちゃんの通行を許さない。
しばらくゴチャゴチャ抗議するが、絶対に通してくれなさそうなので、気勢を上げるルガンスク・サポの目の前を恐る恐る横切り、違う通路から脱出。
さっきの警官はこっちを見ているが何も言わない。自分の持ち場以外のことは関係無いってか?融通の効かん奴め。


やっとの思いでアウェー席を脱出し、座る場所を探しているとさっきのダフ屋を発見。

てめぇ、あっちはルガンスク・サポの席じゃねぇか!よくもあんなところに案内しやがったな。袋叩きにされたらどーすんだよ!しかも、やっと脱出してきたのに座る場所が無ぇ!なんとかしろ。
あ?メインスタンドはガラガラじゃねぇか。あっちに行かせろ。


ダフ屋に絡んでみるが、彼の答えは「メインスタンドは開放されていないからダメ」というものだった。
入口には中に入れない客がひしめき合っていて、でっかいメインスタンドは開放されていない?ここ(バックスタンド)の3倍は収容できそうな大きなスタンドなのに?しかも、このスタジアムはゴール裏にスタンドが無い。一体、このスタジアムは何なんだ?

オボロン・スタジアム
奥にガラガラのバックスタンドが見えます。手前にいるのはルガンスクのサポーター達。
少人数でしたが、アルセナルのサポよりも元気がありました。


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23:15  |  2008ベラルーシ・ウクライナ  |  TB(0)  |  CM(11)  |  EDIT  |  Top↑

2009.02.25 (Wed)

2008ベラルーシ・ウクライナ旅行記(その31)

お待たせしました。再開します。

前回の続きです。

◆ヤキトリヤで寿司を食う

大祖国戦争博物館の見学を終えると、ベッサラブスキー市場の近くにある馴染みのネットカフェへ行き、土曜日に開催されるアルセナル・キエフの試合について調べる。アルセナルのホームスタジアムはオリンピスキ・スタジアムだが、EURO2012開催に向けて現在改修工事中。さて、どこで試合をするのだろうか?
ロシア語、ウクライナ語のページに悪戦苦闘した末に「オボロン・スタジアム」が会場であることが判明。オボロンといえばウクライナではビールの銘柄として有名だが、地下鉄2号線に「オボロン」という駅があるので、スタジアムは多分そのあたりにあるのだろう。とりあえず住所だけメモしておく。

暇なのでオリンピスキ・スタジアムの様子でも見に行こうと思い、クソ暑い中ブラブラと歩いてスタジアムへ向かう。やはりスタジアムは改修工事の真っ最中で、トタンの壁に遮られて中の様子はまるで分からない。かなり大規模な工事のようでクレーンがいくつも立っていた。
行く当ても無く近所をウロウロして時間を潰していると夕方になったので、リナ嬢に電話して食事に誘う。色々面倒を見てもらったので何かご馳走します。何を食べたいか尋ねたところ、「スシ」との回答。それじゃウニベルスィテットにある「ヤキトリヤ」(という名前の日本食レストラン)にでも行くか。

DEEP PURPLEキエフ公演の告知
スタジアムの近くでこんなものを発見。ギラン=グローヴァーDEEP PURPLEがキエフにやって来るらしい。リッチー・ブラックモアもジョン・ロードもいないのに、DEEP PURPLEとはこれいかに。


19時にフレシャーティクでリナと合流し、ヤキトリヤへ。リナはちゃんとした日本食を食ったことが無いという。良い機会なので挑戦してもらいましょう。ヤキトリヤは以前にも二度ほど行ったことがあるが、まあまあマトモな寿司を出すので大丈夫だろう。難点は居酒屋の一品料理みたいなものがメニューに載っている点か。そういう料理も日本食には違いないが、ちゃんとしたレストランで出す「和食」と呼ぶには無理がある。しかし、ウクライナ人にそこまで期待するのは酷なのかも。

ビールで乾杯して話をしていると、ウェイトレスが持ってきた箸が何やら奇妙なことに気づく。にゃおんちゃんの手元に置かれたものは普通の割箸なのに対し、リナの箸は根元が輪ゴムで固定されている。なんだこれ・・・?
よーく見ると、なんと輪ゴムで固定してあることによって箸が自動的に開くようになっているのだ。確かに箸を閉じるのは比較的簡単だが、開くのはちょっと難しい。これなら箸に不慣れな外国人でも簡単に使える。
「これは素晴らしいアイディアだ!」と感激するにゃおんちゃん。「これなら私でも使えるわよ!」と箸をパカパカさせるリナ。

で、肝心の寿司だが、シャリが固くていまいちだった。一度電子レンジで温めたお米が冷めちゃったような感じ、と言えば想像してもらえるだろうか?前回来たときは美味しい寿司を食わせてくれたのに、一体どうしちゃったのやら。前回と言っても3年も前の話だから、仕方ないか。

素晴らしいアイディアの一品
にゃおんちゃんが感心した一品、輪ゴム付き割箸。これなら箸に不慣れな人でも簡単に使えます。


ご飯を食べ終えた我々は勝利広場にあるスーパーマーケットへ向かう。体に悪いものが大好きなにゃおんちゃんがウォッカとポテトチップスを買うためだ。ウォッカがずらりと並んだ棚の前で目を輝かせるにゃおんちゃん。リナは何も言う気力が失せたのか、今度は「そんな体に悪いもの」とお小言を言わず、切り身の魚を眺めていた。リナは肉よりも魚が好きらしい。

ウォッカを買ってご機嫌の帰り道、路上でこんな看板↓を見つけて爆笑するにゃおんちゃん。ウクライナ人のセンスは理解できん。何が可笑しいのかリナに一生懸命説明するが、上手く伝わらず。

萌え寿司屋
あまりの可愛らしさに大笑い萌えた寿司屋の看板。頭にかぶっているのはホッキ貝でしょうか?
キリル文字で「スシヤ」と書いてあります。寿司屋らしからぬオシャレな外観の店でした。

可愛い?   ウクライナ・コサックの人形
左:上の看板の笑撃も覚めやらぬうちに、こんなものを発見して再び悶絶。「可愛い」が「KABAI」になっちゃってます。「ヤポンスキー・レストラン」と書いてあるので寿司屋ですね。
右:通りがかりの酒屋のディスプレイ。ウクライナ・コサックの人形です。



◆血塗られたオリンピック開会式

アパートへ戻り、ウォッカを飲みながらリナと雑談する。テレビをつけて北京オリンピックの開会式を見ていたが、何気無しにチャンネルを変えたところ、戦車が街中を走る映像や、山に向かって迫撃砲が撃ち込まれている映像が飛び込んできた。ウクライナ語なので何を言っているのか分からないが、字幕を読むと「南オセチア紛争:ツヒンヴァリ」と書いてある。ツヒンヴァリ!グルジア北部にある南オセチア自治州の州都じゃないか!
グルジアからの分離独立を目指す南オセチアでロシア軍がグルジア軍を攻撃しているということは・・・グルジアが南オセチアへ侵攻したのだ。そして、南オセチアに駐留するロシア軍が侵入してきたグルジア軍に対して応戦しているのだろう。
アナウンサーが何を言っているのか分からなくても、ここまでは瞬時に理解できた。そして、リナに確認すると、やはりそのとおりだと言う。

やりあがった!サーカシュヴィリの野郎、ついにやりあがった!
バラ革命によって国民の圧倒的な支持を得て大統領に就任したミハエル・サーカシュヴィリは国家再統合を強硬に主張し、政府の統制が及ばない3つの地域(アブハジア、南オセチア、アジャリア)のうち、既にアジャリア自治共和国の再統合に成功している。次に狙うは当然首都トビリシから近い南オセチア。最近国境地帯で小競り合いが多発しているとの情報は掴んでいたが・・・ついにやりあがった!
グルジア人に言わせれば「南オセチアは元々グルジアの領土なのだから、奪還して何が悪い?」なのだろうが、シェワルナゼ政権の時代にグルジア、南オセチア、ロシアの三者で休戦協定を結んでいるのだ。ツヒンヴァリが戦場になっているということは、グルジアがそれを破って軍事侵攻したことを意味する。


続いて、テレビは炎上する家屋を映し出す。テロップには「ゴリ」の文字。
何ということだ!ゴリは南オセチア自治州ではないぞ!ロシア軍は既にグルジア領内に侵攻しているのか?このままではロシアとグルジアの全面戦争が始まる。
リナは大学時代にクラスメイトだったグルジア人のことを心配している。キエフの大学に留学していたその人は、卒業後にグルジアへ帰国して現在は警察官になっているのだという。ウクライナに留学するくらいなら幹部候補生だろうから、最前線で治安維持に当たっている可能性は低いだろう。そのことをリナに告げると、彼女は「ええ、そうね・・・多分あなたの言うとおり。彼はトビリシで勤務しているから、今のところは大丈夫だと思う」と答えたものの、今にも泣き出しそうな顔をしている。

サーカシュヴィリの野郎は北京オリンピックが開会する今日を、開会式に出席するプーチン首相が不在な今を狙って奇襲攻撃を仕掛けたのだろう。しかし、ロシア軍はグルジアの貧乏軍隊にやられるほどヘタレではなかった。グルジア軍は48時間も経たないうちに南オセチアから追い出され、ゴリまで攻撃されている。ゴリが陥落すればトビリシは目と鼻の先だ。
首都トビリシを攻撃すれば半端な数ではない死傷者が出るので、外交上の問題を考慮してロシア軍はそこまでやらないかもしれない。しかし、南オセチアやアブハジアから侵攻したロシア軍がクタイシ(中部の都市)やポチ(黒海沿岸の港湾都市)を押さえれば、物流を遮断されたトビリシはすぐに干上がる。

無茶しやがって!サーカシュヴィリの馬鹿野郎!
アメリカは何をやっていたのだ?確かグルジアにはアメリカの軍事顧問団が派遣されていたはず。アメリカがこの作戦を知らなかったはずが無い。もしかして、お前らがサーカシュヴィリを焚きつけたのか?
親米政権のウクライナでは「ロシアが悪い」という論調で報道されていたが、グルジアが先に手を出したからこんな状況になっているのだ。ウクライナやバルト三国がいち早くロシアを非難する声明を出したが、それに対してプーチン首相は「この問題に介入したら、お前らもまとめて叩き殺す」とコメント。
「何て奴なの!」と怒るリナ。すっかり酔いが覚めてしまい、気が気ではないにゃおんちゃん。今日という日はとんでもない日になってしまった。


≪つづく≫

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2009.02.02 (Mon)

2008ベラルーシ・ウクライナ旅行記(その30)

出張続きで留守にしていたうえに、帰宅した途端に風邪ひいて寝込んでました。
更新遅れてごめんなさい。皆様も健康には気をつけてくださいね。

前回の続きです。

◆大祖国戦争博物館へ再び

8月8日(金)、今日は北京五輪が開幕する日だ。ベラルーシ国境で捕まった際にアメリカ人のお婆ちゃんが言っていたことを思い出す。
「私はスポーツが大好きで、オリンピックを楽しみにしているのよ。でも今回は開催地が北京でしょ?中国人はきっととんでもない事件をしでかすわよ。」

にゃおんちゃんが必死に笑いをこらえたのは言うまでも無い。1988年のソウルオリンピックはハトが焼け死ぬという衝撃的な開会式に始まり、次々と朝鮮人らしさが炸裂する事件が起きた大会だったが、今回はその宗主国様での開催である。ソウルを上回る凄まじいものになるのではないかとワクテカしまくりなにゃおんちゃん。
しかし、この日にとんでもない事件を起こしたのは中国人ではなかった。この時点ではそんなことは知るよしも無い。

この日は昼に起床。前日に夜更かししたわけでもないのに、何故か早起きできず。ダラダラ過ごしてるにもかかわらず、疲れが溜まっているような気がする。。
例によって地下鉄駅そばのスタローヴァヤでご飯を食べる。ここに来るのは何度目だろうか。そのうち店員に「お前はそんなにこの店が好きなのか?」と言われそうな勢いだが、近所にあるから来ているだけで、別に好んで来ているわけではない。

ここが殆ど毎日通っていたスタローヴァヤ
ここが殆ど毎日通っていたスタローヴァヤ。
地下鉄駅のそばにあるから通っていただけで、とりたてて旨いものが食えるわけではない。


食事を終えると昨日に引き続き大祖国戦争博物館へ向かう。昨日は本館を見ている最中にデジカメのバッテリーが尽きてしまい、別館に行かずじまいで終わってしまったからだ。3年前に来たときも別館は見に行ってないので、今回こそは絶対に行く。
今回は普通に1号線でアルセナリナ駅まで行き、そこからバスで博物館へ向かう。駅前から道路を渡ったところにあるバス停まで行き、行き先に「Музей В.В.В. 」と書いてある黄色いバス(マルシュルートカでも可)に乗るだけ。難しいことは何も無い。10分程度で到着。

別館は正面入口から行くと本館の手前にある。「Foreign War」と書いてある白い建物で、前に戦車やハインドが並んでいる。入場料と撮影料は確か本館と同じような額だったと思う。
ロビーには飛行機のフラップを組み合わせて作ったオブジェがあり、そこに戦士した兵士達の顔写真がずらーっと並んでいる。名前と生まれた年・死んだ年は書いてあるが、どこで死んだのかまでは書いていない。一見した限りでは1980年代に戦死している人が多かったので、アフガニスタンに行った兵士達なのだろう。

ロビーから奥へ向かったところに最初の部屋があり、南イエメン、キューバ、アンゴラ、ベトナムなどに派遣された軍事顧問団に関する資料が展示されている。中身は写真、外交文書、身分証、メダル、ペナントなど。キューバのコーナーに飾ってあったカストロとゲバラの写真が印象的だった。普通、ソ連の手下国家の指導者などただの悪党にしか見えないのだが、この二人だけは雰囲気が全然違った。筋金入りの闘士だからかな?
続いて二階の部屋を行くと、そこはもっぱらアフガニスタンに関する展示物とプロパガンダ用ポスターが大半を占める。笑っちゃうようなポスターが数点あった以外、取り立てて珍しいものは無かった。
うーむ・・・これだけのためにわざわざ出直してきたのか・・・。ま、いいか。暇だし。

笑顔が素敵なゲバラさん
笑顔が素敵なゲバラさん。隣にいるおじさんはソ連政府の偉い人らしい。

ラジオ平壌のペナント  奴らを通すな!
左:ラジオ平壌のペナント。
右:スペイン内戦の写真。「奴らを通すな!」と書かれてある国際旅団の横断幕が。

アフガニスタンで使われていたプロパガンダ用ポスター
アフガニスタンで使われていたプロパガンダ用ポスターで、軍人・労働者・イスラム教徒の男女が肩を組み、握手している。残念、アフガン人はアカが大嫌いでした。


外へ出て戦車を眺めながらタバコを吸っていると、角刈りのお兄ちゃんが英語で話しかけてきた。彼はアメリカ人のバックパッカーでヨーロッパを旅している。ポーランドからウクライナへやって来た彼はこれからどこへ行くか悩んでおり、にゃおんちゃんに相談してきた。
ウクライナって地域によって雰囲気が違うんだよ。ポーランドから来たということは西部は見てきたんでしょう?それじゃ今度は南部や東部にも行ってみるといい。クリミア半島に行けば海水浴と美味しいワインを楽しめるよ。

「んー、そろそろ違う国に行きたいなぁ」
そうですか、ウクライナはもうお腹いっぱいですか。

「モルドバはどうかな?」
すんげー田舎ですよ、旦那。小麦やトウモロコシの畑に牛とヤギと鶏しかいませんぜ。キシナウは倒壊しそうな建物ばかりの貧乏都市だし観光名所はまるで無し。ルーマニアへ行く途中に立ち寄る程度ならいいと思うけど、その際には沿ドニエストル共和国に気をつけてね。

「なんだ、そりゃ?」
(香ばしき偽ソ連、沿ドニエストル共和国について暫し説明)

「凄い国だな。君は行ったことがあるのかい?」
うむ、行った。半日程度の滞在だったが。

「面白かった?」
ネタとして行くならいいが、真面目に観光するつもりなら絶対にお勧めしない。

「うっ・・・それじゃ次はルーマニアかな?」
ロシア行けば?

「ビザが面倒なんだよなぁ・・・」
ウクライナでロシアビザを申請すればインビテーションとかバウチャーが不要だったはず。他の国で申請するより楽だよ?

「そうか、それじゃ少し考えてみるよ。それより・・・」
と言って彼は別館の左手に鎮座しているハインドを指差す。展示されているハインドに乗ろうとしたところ、係員のオヤジに「切符買ってこい」と追い払われてしまったらしい。どこで切符を買えばいいのか尋ねられるが・・・あれ?にゃおんちゃんが3年前に来たときは切符なんか必要なかったぞ?屋外展示場に入るには切符が必要だが、ここは違う。屋外展示場はここから土手を越えた向こうにある。金取るようになったのか?だとすれば、多分別館の窓口で売っているのだろう。
そのことを告げると彼は別館へ入って行き、そして間もなく何か紙切れを手にして出てきた。「買えたよー!ありがとう!」とニコニコしながらハインドへ走っていく彼。外国で会うアメリカ人っていい人が多いような気がしません?できればアメリカでもいいアメリカ人に会いたいんですけど・・・。

さて、行くか・・・。アメリカ人の彼に手を振って別れを告げる。
しかし、これからどこへ行って何をしたらいいのやら・・・。

Mi-24ハインド
アメリカ人のお兄ちゃんが乗りたがったMi-24ハインド


《つづく》

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22:24  |  2008ベラルーシ・ウクライナ  |  TB(0)  |  CM(0)  |  EDIT  |  Top↑

2009.01.18 (Sun)

2008ベラルーシ・ウクライナ旅行記(その29)

前回の続きです。

◆にゃおんちゃん、またナンパされる?

大祖国戦争博物館には、本館の他に屋外展示場と別館がある。屋外展示場にはソ連製の兵器がずらりと並んでおり、T-34やIS-3といったお馴染みの戦車はもちろん、Mi-24ハインドや「スターリンのオルガン」と呼ばれたBM-13カチューシャなどソ連を代表する名機を見ることができる。別館は国外での戦争に関する博物館で、正規軍が参戦したアフガニスタンはもちろん、軍事顧問団が派遣された朝鮮、キューバ、ベトナム、さらにはアンゴラ、エチオピア、シリアなどに関する資料が展示されている。
しかし、デジカメのバッテリーが尽きたので出直してくることにする。くぅ・・・。

博物館からマルシュルートカに乗って独立広場まで行き、適当に歩いて見つけたスタローヴァヤでお昼ご飯を食べる。また大衆食堂でメシ食ってるのかって?いいんだよ、俺は大衆食堂が好きなんだよ!食べ物に関してはとことん庶民派な私。「セレブの旅を目指す」などと言っていた去年の誓いはどこへ行ったのか。
キエフの目抜き通りであるフレシャーティク通りをブラブラ歩くと、いつの間にかベッサラブスキー市場まで辿り着いていた。独立広場からベッサラブスキー市場までがキエフのメインストリート。週末には道路が封鎖されて歩行者天国になる。
ベッサラブスキー市場は名前のとおりベッサラビア(モルドバの旧名)から来た行商人によって作られた市場で、ドーム型の建物の中に色んな店がひしめいている。売っているものはもっぱら生鮮食料品と日用品なので、にゃおんちゃんのような観光客が来ても買うものは無い。キャビアも売っていたりするが高い。キャビアを買うならロシアでどうぞ。

ベッサラブスキー市場の近くに行きつけのネットカフェがあるので立ち寄って時間を潰す。土曜日のアルセナル・キエフの試合について調べてみたが、試合会場がどこなのかよく分からない。ディナモスタジアムではないことは分かっている。となると、国立競技場か?以前に一度近くまで行ったことがあるので場所は知っている。ここからそう遠くない。しかし、あのスタジアムは2012年の欧州選手権に向けて改修中だったはず・・・。

ベッサラブスキー市場
ベッサラブスキー市場の入口。後日、通りがかった際に改めて撮影したもの。


結局、よく分からないままネットカフェを出て、外にあるベンチに座ってこれからどうするか考える。昨日会った日本語達者なウクライナ人アンナさんに電話してみる。彼女は丁度家にいたのでインターネットで調べてもらうが、やはり彼女も分からないという。土曜日にキエフで試合があることは間違いないのだ。うーむ、どこで試合するの?
彼女は本当に日本語が上手なのだが、まるでボビー・オロゴンのように時々強烈なボケをかます。笑いながら電話を切ると、若い女性がツカツカとこちらにやって来て一言。

「アナタ、ニホンジン?」

何ですか、このデジャヴな展開は!ここに座っていると日本語を話すウクライナ人に話しかけられる法則でもありますか?いや、去年の夏にここに座っていた際には自称イラン人の怪しい男やウクライナ人の子供に話しかけられている。いずれにせよ、にゃおんちゃんがここに座ると誰かが話しかけてくることになっているらしい。謎だ・・・。

彼女の名前はナターシャ。やっぱり日本に出稼ぎに行った経験があり、にゃおんちゃんがデカい声で日本語を話しているのを聞いて日本人だと分かったのだという。
残念ながら彼女はアンナさんのように日本語が上手ではなく・・・日本に行ったのはもう何年も前なのでかなり忘れてしまっており、片言程度しか話せない。にゃおんちゃんのロシア語と同レベル。あれ?ということは相当酷いじゃないか。おまけに彼女は英語もあまり上手ではないので、英語・ロシア語・日本語が混ざったとんでもない会話を強いられることになった。

「アナタ、ビジネスデ来タ?」
「いや、観光」
「ココデ、ナニシテル?」
「えーとですね・・・(アルセナル・キエフの試合について説明)」
「ワタシ、ワカラナイ」
「大丈夫、自分で探してみるよ」
「コレカラ、ドウスル?」
「博物館にでも行こうと思う」
「ソレジャ、ワタシアンナイスル」
「え?いいの?」
「ダイジョブ、スコシダケジカンアル」

というわけで、突如としてウクライナ人のガイドさんを得たにゃおん氏。今さらガイドなど不要なのだが・・・後でお金を請求されたりしないだろうな?



◆こ、これがデートなんですか?

ナターシャは5~6年前に東京のロシアパブで働いていたそうな。仕事は大変だったものの、生活自体は楽しかったらしい。しかし、ウクライナではロクな仕事が見つからないので、また近いうちにどこかへ出稼ぎに行くらしい。残念ながら日本ではないとのこと。
ちなみに、彼女はアンナさんとは違ってすごい美人である。アンナさんごめんなさい。

博物館に行きたいというにゃおんちゃんのリクエストに対し、彼女はウクライナ歴史博物館へ連れて行ってくれるという。実は一度行ったことがあるのだが、彼女の親切に報いるためにあえて何も言わない。まあ、もう一度見に行ってもいいだろう。
博物館へ行く途中、ソフィア大聖堂の前にあるボフダン・フメリニツキー像の前を通ると、ウクライナに来る日本人はよほど珍しいのか、彼女は私がウクライナについて何も知らないと思い込んでおり、つたない英語と日本語で親切に案内してくれる。キエフに来たのは今回で3回目なのだが・・・上手く伝わってないようだ。余計なことは言わず、ウンウンと頷く私。

ボフダン・フメリニツキー像
ウクライナ・コサックの英雄、ボフダン・フメリニツキーの銅像。

アンドレイ教会
ロシア皇帝エカテリーナ2世のキエフ来訪を記念して建てられたというアンドレイ教会。
中にはバカでかいイコンがあります。

歴史博物館へ行くが時間が遅すぎたようで、「もうすぐ閉館です」と追い返されてしまう。時間はもう16時半過ぎ。仕方がないのでその向かいにあるアンドレイ教会へ行き、丁度やっていたミサを見学する。が、ナターシャは興味無いようで、にゃおんちゃんが見学してる間、彼女はずっと外にいた。やる気があるのか、無いのか・・・。
続いて土産物屋が立ち並ぶアンドレイ坂へ向かうが、ピンヒールを履いている彼女にとってこの坂のボコボコの石畳はあまりに過酷で、もはや話をするどころではなくなっていた。少しでも歩きやすい場所を求めて道路を右往左往する彼女・・・。キエフへ行く女性の皆様、ハイヒールを履いて石畳のある場所へ行くのは止めましょう。


坂を下りるとそこはポディール地区。ドニエプル川沿いにある趣のある場所なのだが、ナターシャはくたびれてしまったようなので、喫茶店に入って一休みする。コーヒーを飲みながら色々と話をする。

「日本での生活は楽しかった?」
「うん、楽しかったわよ。東京は大都市で刺激的だったわ。」
「また来ないの?」
「今度は観光で行きたいわね。でも、難しい。」
「そうだね・・・。」
「あなた、結婚してないの?」
「してないよ。」
「どうして?」
「(うぅ・・・)まだ運命の人に巡り会ってないのだろう。」
「そう、頑張ってね。」
「ナターシャはデートしてくれないのか?」
「あら、これはデートよ?」
「えぇ?う、うん。そうだね・・・。(こんな唐突でやる気の無ぇデートがあるかよ・・・)」
「あ、私そろそろ行かないと。友達と約束があるの。」
「OK、それじゃ今度はいつデートしてくれるんだい?」
「そうね、考えておくわ。はい、これ私の電話番号。」

ナターシャ、彼女は一体何をしたくて私に声を掛けてきたのだろうか・・・。
帰国後、彼女から「今、パリで働いています」というメールが届いた。彼女に会いにパリへ行く気は・・・これっぽちも無い。


歩いて帰宅する途中、地下鉄テアトラリナ駅の近くで感じのいいバーを見つけたので立ち寄り、ウォッカやらビールやらを数杯ひっかけて上機嫌で帰宅。時間は21時、家の前まで来たところでリナ嬢から電話があり、「料理を作ったのでこれから持っていく」と連絡が入った。
辺りをウロつく怪しい若者に怯えながらアパートの前で待つこと15分、リナがやって来た。作りすぎたので、お裾分けしようと思って持ってきたのだという。にゃおんちゃんがロクなもの食ってないと思って気を利かせてくれたのだな。ほんとにすまんねぇ・・・うぅぅ。

彼女が持ってきた料理は・・・名前は忘れたが、ウクライナではポピュラーな料理だという。見た目はクレープのような感じなのだが甘いものではなく、中に挽き肉が入っている。美味しいことは美味しいのだが、とにかく脂っこい。
「すっごい脂っこいでしょ?ウクライナ料理ってどれも脂っこいのよ。だから、皆あんなにデブるのよ」

リナ、デブになる料理を俺に食わせてどうするつもりだ?

リナの手料理
リナの手料理。美味しいんだけど、とにかく脂っこくて2枚も食べれば、もうたくさんに・・・。


《つづく》

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